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次元上昇という概念の考察

今回はスピリチュアル(真の心)の話の中でよく聞く「次元上昇」という概念が意味する具体的な内容を考察します。

まずスピリチュアルという言葉については「スピリチュアル・カウンセリング入門 上・下」の著書 諸富祥彦さんの言葉を借りて
『意識的に「あれがしたい」や「これが欲しい」という事を現実化しようとする「自我実現」ではなく、自らの人生に対して「これが私のやることだ」という充足感を与えてくれる心からのメッセージを現実化する「自己実現」』に至る考えをスピリチュアルとします。

ですので、私の目的としているものは、自分とは違う何か(神や、竜や、宇宙人)と通じ合う事では無く、個人の中にある真我を感じ取る事を目的としています。

そして本題の「次元上昇」ですが、単語的になんとなくカッコよくて、すごい感じがして、仏教用語のように難しくないし使いやすいためよく出てきますが、具体的に次元上昇するとはどのような意味を含んでいるのかを私なりに列挙いたします。

1.世界観の拡張
次元上昇をするとは「それまでの生き方=世界」ではなくそれ以外の常識を持つ世界がある事を並列的に認識するという事から始まります。他の常識を知るといった面では、海外に行くだけでも次元上昇と言えるし、哲学書や恋愛小説を読んでも次元上昇と言える。けれどそのどちらかが正しいというものでは無く、世界には複数の常識がある事を受け入れる事。もし他の世界観を見た時、それまでの自分を卑下したくなるような気持ちになっても、卑下する必要は無くて「それまではそれまででいい」というのが拡張です。

2.閉塞感からの解放
「1.世界観の拡張」に伴い、それまで自ら「こうでないといけない」としていた常識をある種の「実は社会的な幻想だ」と認識できるようになると思います。そして、それによって今までの生き方より一歩「広い生き方」を自分に許容できるようになれば、なんとなく息が吸いやすくなります。これも「1.」と同じように「新しい生き方が正しい」というようにどちらかを良し悪しで判断し、結果的に意識のA空間を別のB空間に移動するのではなく、「私」という中心は変わらず拡張することで閉塞感から解放されるものです。

3.生きるのに必要なもの(執着)の減少
これも「1.世界観の拡張」に伴い、拡張された世界観で身の回りをありのまま見てみると、実は全く必要でなかった持ち物や人間関係、感情、習慣などが見えてきます。この「新たな目」で見ると「必要でない」ものは文字通り必要が無かったのだと捨てられるので、生きるのに必要なものは減少していきます。しかし大抵この段階で「自分の意識の世界」と「他人の意識の世界」が現実世界という場所で交差するので、衝突や葛藤が生まれます。

4.静かな時間の拡大
「3.」の減少に伴い、あなたの何もない時間は増えるはずです。その増えた時間を自分にとっての生きる意味を求める「心の声」に耳を傾けていけば、さらに自然と不必要な事は減ります。ですのでその分増えた時間を「生きている充足感」を満たす活動に力を注ぐようにしてもいいし、さらなる「1.」の世界観の拡大につながる循環を生むのもいいでしょう。

この過程が全て次元上昇という概念に当てはまると思います。ちなみに私としては「次元上昇」という言葉は、何か上と下があるような錯覚を作り出し、結果として「あの人の次元は低い」という言葉を生み出す要因になっていると思います。でもこれは全て「自分の心の声、魂の声」を聴く行動なので、他人と比較できるものでは無く、単純にあなたの人間としての「成熟」と捉えればいいのではないかと思っています。

それと同時に「究極」とか「唯一」を求めたがる心も生まれますが、恐らくそれらは「有ると同時に無い」でしょう。
誰もあなたの人生、あなたの心の声を聴けませんので、何かと比較して「究極」というのもなんだかおかしな話じゃないですか? 光の速さのように確かに「究極」はあるのかも知れない。けれどやっぱりその「光」はあなたの外部の光であって「その光があなた」では無いということでもありますよね。だから、あなたはあなたの感覚を存分に満たしてあげればいい。

それでも有名な光の公式 Emc²のように、この世界では光の速さに近づけば近づくほど必要なエネルギーは無限大に近づき、そこに到達するような事は不可能と言われているのと同じように「あなたの究極の光」になれる事はないかも知れない、けれどじゃあいつのタイミングが「あなたの光」なのか?と言われると、「この空はどこからが宇宙か?」と同じ質問のようにそこに境目なんて初めからないと言えます。だからつまり、存分にあなたはいつだって光だという事でもあると思います。

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