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ある日の夢「本」

長い本を読んでいた。白い表紙の本で、物語は何かしらの政治的事件を女性が自らの立場を失いながらも真相を発言したことで終わる。私が読んでいたのはそのエピローグ的なもので、各々の人物のその後や途中の気持ちが書かれている部分だったようだと、最後の最後でやっと分かって来た。

すると私がいる居間にKさんというお婆さんがいて「やっと欲しかった古文書が手に入ったんです」と話しかけてくる。私は「それは読んだのですか?」と聞くと「生きている間に読まなくてもいいものかも知れません。」と返って来た。すると居間の奥にもう一人女性がいて「だから彼はそう聞いたのです」とKさんに返すと、Kさんは「ええ、そうかも知れません。」と答える。

そして話しながら、Kさんの姿がどんどん変わっていくのに気が付く。まるでカラスのような風貌になっていく。徐々に目が特徴的なものになり、元々頭があったところは黒々とし、身体だった所はなんとなく透けているような感じさえする。そしてKさんは「ああ、そうか。ここで読めばいいんですね。」と言ってお帰りになった。

私は再び白い本に目を落としパラパラとページをめくると「エピローグ」と題されたところの後に「まだする?」という疑問形の章がある事に気が付いた。

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