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D&D5版「マルチクラスの闇」について

皆さんはじめまして!
先日は主催しましたD&Dコンベンション「DAC-Online」が無事終了して、今週は疲れた体を癒やすために美味しいものをいっぱい食べているシャープです!(運動はしているからセーフ)

コンベンション内で「InspiRadio」という突発イベントを行い、そこでマルチクラスの闇なるものについても質問されたので、考えを記事にまとめたいと思いました!
件の配信は以下のものです:

上で話した他のテーマ:
イチオシD&Dの冒険: (0:00)
本物の「マット・マーサー効果」~お互いを高め合う遊び方~: (11:48)
スリードラゴンアンティーの紹介: (20:11)
マジックアイテムはどうやって選べばいいの?: (32:11)
モンスター達にも人権はあるんです!: (45:39)
第0話の極意: (55:07)
怠け者直伝、準備せずに準備する方法: (1:15:42)
英語は必要?: (1:33:20)
マルチクラスの闇: (1:44:30)
イリュージョニストのサブクラス: (1:57:20)

さて、D&D第5版を遊んでいる皆さんは何度か「マルチクラスが強すぎる~」や「マンチビルド~」などの話題がツイッターで上がったのを目撃していると思います。特にパラディンなどの神聖なる一撃はこれの筆頭でしょう。
初心者のいる中で強いビルドを持ってきて楽しみがなくなる!なんてのはよく想像できる問題の一つでもありますね。

しかし、なぜ5版ではこういう話題が出てくるのでしょうか?

答えはシステムそのものの意図と現在主流となっている遊びの意図が一致していないからです。
5版だけではなく、全ての版は1日に何回ぐらいの敵と戦えばちょうど良いのかのバランス感覚を持っています。5版ではおおよそ1日には6~8回のエンカウント(必ずしも戦闘ではないが大体が戦闘)を行いその合間に2回の小休憩をと想定しています。この休憩の感覚がこれからを語るために重要です。

小休憩クラスと大休憩クラス

休憩=リソース回復であるため、必然的に小休憩を前提としたリソースは空になるまで3~4回の戦闘を切り抜けないといけません。この時点でスロットが2個しかないウォーロックは泣いて良いと思います。

つまり、クラスは全てこの6~8回のエンカウントを突破した時点では全てのリソースを等しく消耗しきっており、お互いにバランスが取れているという状況です。

ファイター、モンク、ウォーロックなどは全部「小休憩クラス」であり、ウィザード、クレリック、バーバリアンなどは「大休憩クラス」です。

中には選んだサブクラスによって中間に位置するものもあります。

上記では6~8回のエンカウントの終了時点(=大休憩)ではバランスが取れていると言いましたが、これが大休憩までに3~4回になったらどうなると思いますか?

本来大休憩クラスはいつリソースを使えば良いのかを慎重になるはずですが、休憩間隔が短いとすべてを小休憩クラスと同じ要領で出せるようになります。当たり前ですが小休憩クラスの1回の特徴と大休憩クラスの1回の特徴のパワーレベルは違います。

一例として上げるのであればファイターの戦技ダイス(d6~d10)とパラディンの神聖なる一撃(2d8~6d8)です。パラディンがファイターと同じ間隔で使えれば明らかにパラディンが強いです。そういうふうに作られています。

流行りの遊び方

今の流行りの遊び方は2~3時間程度遊ぶものです。次に集まるときも大休憩が許可されることも多いです。短いスパンで、手軽に遊べて、活躍できるものと言えば大休憩で想定されたリソースを全部小休憩の間隔でぶっ放すことです。気持ちいい~

マルチクラスをする人が強いビルドを出しているのではなく、マルチクラスした結果短い休憩間隔を持っているDMの卓において大休憩リソースをスタックして強くなっているだけです。

じゃあ、全てのDMはプレイヤーたちを冗長的な6~8回のエンカウントに突入させなければ行けないのか?

違います!

解決編

まず大前提として、上の回数のエンカウントはキャラをただ一人の「攻撃者」または「手駒」として見立てたときに、「大体このぐらい戦えば消耗するだろう~」と想定しています。

その中に飽きっぽい人間がいることを考慮していません。
長いダンジョンが続いたら飽きます。殴ることしかできない雑魚戦が続くと飽きます。ダイスの出目がよくないと飽きます。何か目立つことが無いと飽きます。人間ってやつは飽きっぽいんです。

だから容易にエンカウントの数を増やすと今の2~3時間の遊びにほころびが出てくるし、そもそも誰もついてきません。じゃあ、どうすれば良いのか?

DMGには小休憩を1日、大休憩を7日とするルールがあります。なるほど、これで解決ですね!と思ったらまだまだ考慮していないことがあります。

上でも言ったように、PLが飽きっぽいです。多分最初は新しい休憩間隔のおかげでちょっと楽しいかも知れませんが、後々は「8時間寝ました」が「7日間バカンスに行きました」に置き換わるだけで、同じ問題が発生します。

1.小休憩のタイミングを変更する
小休憩のタイミングを1時間後ではなく、戦闘終了後に変更してみる!

実は小休憩って手軽に取れるものでもないです。1時間も敵地のど真ん中で構えると大体のDMは何かをしなければ不自然という思いに駆られて敵を投げて休憩を邪魔します。そういう心理なので諦めましょう。

代わりにタイミングを戦闘終了後にすることで、ファイターやモンクなどのあまり輝かないクラスも全ての戦闘で全力を注ぎ込む事ができます!
(ファイターが毎回怒涛のアクションを使うとバランス大丈夫?と思う人も居ますが、神聖なる一撃1回でファイターの攻撃回数1回分+なのでどっこいどっこいです)

かんたん!らくちん!君も使ってみよう!

2.小休憩リソースを2倍・3倍にする代わりに大休憩リソースにする
これは名前の通り、そもそも小休憩リソースというものを廃止して、全部大休憩する。その代わり2~3倍に使用回数を増やせば楽しく使えるようになるはずです!

この考え方は劣っていると思われている小休憩クラスを大休憩クラスまで引き上げるアッパー調整です。逆の大休憩クラスを小休憩クラスまで引き下げる方法もありますがこれはよくないです。

君のお気に入りのソシャゲーが推しを弱体化したときの気持ちを思い浮かべればなぜこれがよくないのかを理解できるでしょう。

他にも解決策はあります!自分だけの方法も見つけたらツイートしてください!私もそれを見て参考にしたいです!

まとめ

・強いのはクラスではなく大休憩リソース
・休憩間隔はDMによって様々だが、狭まっている傾向にある
・小休憩クラスを大休憩クラスまでバフすれば万事OK

ここで疑問に思うことがあるはずです。いったい誰の許しを得てこんな大規模な変化を提案しているんだお前は!

5版の思想は「君の卓、君のルール」です。他人が何を思おうが、どのぐらいルール的に間違っていることを指摘しようが一切関係なく、君は君の理想の卓を遊べば良いのです。それを達成するためにルール変更が必要なのであればそうするべきです。

以上!誰かの参考になっていれば幸いです!

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