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大学生になって初めてデルトラクエストを読んでみた

 皆さん、突然ですがデルトラクエストをご存じでしょうか。そうです、小学生ないしは中学生の頃に学級文庫や図書室にあったキラキラした小説です。(写真1)

写真1 デルトラクエスト(一巻)

 私は現在大学三年生、つまるところ21歳なのですけれどもこの小説を読んだことがありませんでした。というのも私は小学生の頃、暇さえあれば外を走り回り活字に触れるなどとはつゆほども思わない子供でした。しかしそんな当時でも、図書室に堅い(小学生の視点で)無機質なものが並んでいる中キラキラと光るこの本は大変印象に残っていました。そしてつい最近ブックオフを歩いていたら目を引くキラキラ加工、この作品を見つけて読んでみようと思ったわけです。

舐めていた…

 上でも言ったようにこの作品の印象は「小学校とかにあったキラキラした小説」というものだったのですが読んでみると「これって本当に児童書?」と思うほど面白い上なんと言うか思ったものとは違いました。以下は読書感想文です。(※少し粗い表現もあるかもしれませんが攻撃的な意味合いはございません)

デルトラクエストとは

 まずは簡単にこの作品がどんな作品化についてお話します。
 この作品は一言で言えば「魔王によって滅ぼされた国を復興するために勇者が伝説の宝を集めて倒す物語」です。これだけ見れば王道ファンタジーですがこの作品は全く違います。(アニメは結構改変されているためかなり印象は異なります。)

何とも言えない勇者一行

 この作品の主人公一行はまさに王道!好青年の主人公リーフ、体が大きく頼れるバルダ、美しく軽やかなジャスミンの三人です。一姫二太郎じゃないですが、これだけ聞けばRPGの黄金比なわけですよ。しかし本編を見ると印象が全く違いました。簡単に言えばビビリとアホと自己中の三人でした。(これは私の性格が悪いだけかもしれないけれど)
 まぁ私はこんなに偉そうに語っていますがまだ二巻(第一章は8巻構成)しか読んでいないのでこれが作者の意図とも言えないのですが、二巻までの印象では本当に主人公一行らしくははなかったです。リーフはすぐにビビって悲鳴を上げるし、バルダはすぐに突っ走って勝手にやられるし、ジャスミンは空気を読まずに言いたいことを言います。しかしこれがいかにも人間らしくて読んでいるこちらに臨場感を与えてくれるんですよ!
 近年のファンタジー作品の潮流として、「俺Tueeee!」というものがありますが、この作品にはそんなものはかけらもありません。というのもこの勇者一行の基本戦術はステルスと逃走なんですよ。それもそのはずで上でも述べたようにこの作品の舞台は魔王に「滅ぼされた国」なわけで、敵前に立って騒ぎ立てる方が愚行なわけですよ。そういうリアルさが本当に面白い!だからこそ私は児童書であることに疑問を抱いたわけです。
「この面白さを小学生(少なくとも当時の私)が理解できるはずがない!!!」

表紙のモンスターの魅力

 この作品を語る上で外せないのが表紙のモンスターなわけですよ!(私もこのモンスターについて知りたくて読んだ)どんな強敵でどんな戦いを繰り広げるんだ!?と思って読んだらあらビックリ、20ページくらいで片付いちゃいます。しかも前々から張られてきた伏線とかもあまりありません、直前で伏線が張られてすぐに回収という感じです。(この単純明快さは児童書の体をなしているように思える。)しかし仰々しくないだけで魅力はあります。あまりネタバレとかはしたくないのですが、このモンスターたちとの戦いの神髄は戦いではなく対話なんですよね。すごく言いたいのですが結構重要な話になるので省略します。ただ一つ言いたいことは、結末というものは意外とあっけないということです。

ホルホース

まとめ

 まぁ何が言いたいかと言いますと、この作品は小学校にあることによって知名度をほしいままにしているのだけれど、小学校にあることによって軽んじられているように思うわけですよ。そして気になったら読んでみるというのは本当に大事だということですよ。今回試しに読んでみたから名作に出会えていたわけで。
 これを読んだ皆さんにもぜひデルトラクエストを読んでもらいたいです。再ブームが来てほしい今日この頃です。
 ここまで読んでいただきありがとうございます。

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