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ビクトリア州モーニントン半島でワイナリー巡り

モーニントン半島はメルボルンから車で一時間程度のところにある。生産者の多くは家族経営のブティックワイナリーだ。同地ワインの多くはオーストラリアの中でも高品質で有名だが、いずれも手作りの少量生産である。海外で入手するのはなかなか難しいだろう。来てセラードア(ワイン直売所)巡りをするのが楽しい。

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モーニントン半島では冷涼ながら日照条件に恵まれた環境と、石灰地質の砂地というテロワールを生かして、主にシャルドネ種の白ワインとピノノワール種の赤ワインが生産されている。高品質のワイン造りで定評のあるブティックワイナリーとしては、パリンガ (Paringa Estate)、ムールドック(Moorooduc Estate)、モンタルト(Montalto Vineyard & Olive Grove)、ヤビーレイク(Yabby Lake Vineyard)、エルドリッジ(Eldridge Estate)、メインリッジ(Main Ridge Estate)、テン・ミニッツ・バイ・トラクター (Ten Minutes by Tractor)といったあたりが有名だ。

1.ストーニア(Stonier)

その日は、人には教えたくないとっておきのセラードア、『ストーニア』(Stonier)から始めることにした。メリックス(Merricks)地区にある。ストーニア・ワインズは1978年創業、爾来、各種の賞を獲得するなどして、ピノノワール種を得意とするワイナリーとしては今や世界でも相当有名といえるのではないだろうか。

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中でもピノノワールの『Stonier W-WB』(ホールバンチ)は入手困難な希少価値のあるワインだ。私が知るピノノワール赤ワインの中で世界で最もおいしい。本日はこれを目当てにやってきた。

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それにしてもインスタ映えする天気である。

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セラードアの庭には、これまたインスタ映えする犬たち。私が写真をとろうとしていたら、飼い主の家族が大声で、「スマイル、スマイル!」と犬たちに呼びかけてくれた。どうもありがとうございます。

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2.パリンガ・エステート

モーニントン半島のレッドヒル地区にやってきた。このあたりは、丘陵地帯に広がるブドウ畑の先に明るい海が見えるという他であまり見ることのできない美しい景観である。

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レッドヒルからレッドヒルサウスにかけての尾根伝いに素敵なワイナリーが散在する。その多くは眺めの良いレストランを併設している。既に何度も訪れてお気に入りのパリンガ・エステート。

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ここの赤ワインはシンガポール航空やJALのファーストクラス用として提供されたこともある。

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3.モンタルト(Montalto)

パリンガに並んでこのあたりで有名なのが、今や老舗の部類に入るモンタルト(Montalto)。現代的な建築のレストラン棟。

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このあたりで一番人気のレストランだ。料理には自家製の有機野菜やオリーブを使用している。

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モンタルトのオーナーは趣味と実益を兼ねて毎年彫刻コンテストを開催している。その入賞者の作品を中心にモダンアートの彫刻が敷地のあちこちにオブジェとして展示されている。

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4.エルドリッジ・エステート・オブ・レッドヒル

モーニントン半島のメインリッジ地区へやってきた。こちらも尾根沿いのエリアなのでレッドヒル同様にとても景色が良い。

渋いワイン造りを続けているエルドリッジ・エステート。ピノノワールとシャルドネに加えて、当地では珍しいGamay種でも赤ワインを造っている。ボージョレのあれである。本日はピノノワールとシャルドネの買い出しなので次回にしよう。

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5.メインリッジ・エステート(Main Ridge Estate)

モーニントンで一番古いワイナリー「メインリッジ」(Main Ridge Estate)に着いた。有名すぎるほど有名なワイナリーだが、メルボルンでもアッティカやロックプールといった超高級レストラン以外ではそのワインをほぼ見かけることのないカルトワイナリーである。

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アーチー君(テリア種)がお出迎えだ。

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少しだけ味見。

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『ハーフエーカー』(ピノノワール)がこのワイナリーで最も有名なワインだ。これがまた非常に希少なものなのだが、本日は、実は私がそれよりも好きな(しかし値段は少し安い)『ザ・エーカー』ピノノワールを購入。

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6.テン・ミニッツ・バイ・トラクター (Ten Minutes by Tractor)

次に、テンミニッツバイトラクターへ向かおう。「トラクターで10分」というワイナリーらしからぬ名前はこのワイナリーの所有する三か所の葡萄畑の区画が、それぞれトラクターで10分の距離にあったことに由来している。

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『テンミニッツ・バイ・トラクター』のレストランは、モーニントン半島のワイナリーレストランの中でトップに君臨する名店だ。しかし、二年前にレストラン建屋が火事で焼けてしまってから、メルボルンの美食家の間では再開が待望されていた。

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予約が取りにくい店だが幸運にもテーブルが確保できたならば、帰りには隣りのセラードアに立ち寄って、ワインを購入するとよい。

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ちなみに、ワインだけでなく自家農園で栽培するオリーブオイルも製造販売している。「トラクターオイル」とあるが、これは受けを狙った名称であって、もちろんオリーブから出来た食用油である。

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7.ヤビーレーク(Yabby Lake)

最後に良いシャルドネを求めて、シャルドネ自慢のヤビーレークへやってきた。モーニントン半島中央部の低地Tuerong地区にある。

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ここも素敵なレストランを併設している。賑わっている。おととしシェフがかわって繁盛しはじめたようだ。

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テイスティングをさせてもらい、2015のシャルドネを購入。

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ビクトリア州にはモーニントン半島のほか、ヤラバレー、ヒースコートというワイン産地もある。機会があればぜひ訪れてみてほしい。

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