姥湯温泉 枡形屋
数年前、ゴールデンウィーク最終日に姥湯温泉枡形屋へ日帰りで行ってきた。(今年はステイホーム週間です。みなさん、家で良い子にしてますか。)
姥湯温泉枡形屋は、吾妻連峰の山中、標高1250メートルにある。姥湯温泉の歴史は古い。時は戦国時代、後奈良天皇の天文二年(1533年)、金鉱堀だった遠藤大内蔵が鉱脈を求めてこの地に迷い込んだ際、この地で赤ん坊を抱いた恐ろしい形相の山姥が湯浴みしているのに出くわした。山姥にこの湯の湯守になるように言われて開湯、この湯を姥湯と名づけ、のちに桝形屋を開業し、以来、十七代続いているといいう。
ブロンプトンで行ってみたベスト秘湯の中で、走り(ヒルクライム)のタフさ、湯のインパクトの強さ、周囲の秘境度のいずれもトップ5入りにふさわしい。体を鍛え、急坂を登れるように自転車を改造し、高い交通費をかけてでも行ってみる価値があるだろう。「なんでこの山奥に自転車が」と注目されることも必定だ。
JR東北新幹線の始発で福島駅、JR奥羽本線に乗り換えて峠駅へ。天蓋に覆われた不思議な雰囲気の駅だ。時刻は朝8時半。峠駅からスタートする 。
目指すは姥湯温泉、ここから8キロの表示だ。
[ルート] 峠駅 (山形県米沢市)→姥湯温泉→滑川温泉 →峠駅
走行距離 17.2 km
最大標高差 611 m
平均斜度 上り10.3%
獲得標高 754 m
まず最初の峠を目指す。当初から5%を超える坂が続く。
ところどころに雪が残り、山はまだ冬から完全には目覚めていないようだ。しかし春の兆しも。猩々袴(しょうじょうばかま)だ。
最初の峠、萱峠(かやとうげ)だ。
萱峠からは尾根伝いの緩やかなupdownのある道になる。ゆるポタだ。但し雪崩に注意。
といっても気温の上昇でずいぶんと融雪が進んでいる。大丈夫そうだ。
危険路肩注意の表示が各所にある。山奥らしくて素敵だ。ほら。こんな断崖絶壁が続くので超危険だ。
恐ろしくて下をのぞくことができません。
でも崖には美しい山桜が三分咲きだ。ここにも春の兆し。
滑川大橋。雪解け水が勢いよく流れる。
そろそろ滑川温泉(なめがわおんせん)との分岐に差し掛かるころだ。丁度中間点となる。事前情報によればこのあたりから激坂が始まるはずだ。
滑川温泉との分岐だ。坂は姥湯方面。ちょっと急斜面が過ぎやしないか。目の錯覚かと思ったがリアルであった。
それでもどんどん登って、ようやく、あと2キロの表示。しかし、ここからがいよいよ大変だった。
17%の勾配。めげずに行こう。
おっと、次は22%だ。
22%って上から見るとこのぐらいです。
立ち漕ぎで22%の急坂は乗り切ったが・・・ばてた。
車とすれ違う。運転している男性が口あんぐり、同乗の女性も自転車を見て手に口を当てて驚愕していた。少し元気が出る。
坂を登りきったところで、突然、目前に現れるこの光景。姥湯温泉はあの谷にある。