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秘湯のススメ

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とっておきの秘湯をご紹介。
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#信州の温泉

再訪したいとっておき秘湯セレクション

(秘湯各記事は #自転車で秘湯) (最新の『再訪したいとっておき秘湯セレクション』はこちら) 世界中が新型コロナで大変なことになってしまいました!noteを見ているみなさんは世のため人のため自分のために不要不急の外出をやめて家に籠っておられるのではないかと推察いたします。 こんなときこそ、事態が収束したあとの楽しいことを考えませんか。私がこれまでブロンプトンで訪れた秘湯の中で、再訪の機会を待ち望んでいるとっておきの秘湯を本日から緊急事態宣言が解除されるまで毎日ご紹介してい

白骨温泉

ブロンプトンで白骨温泉へ行ってきた。 600年以上の歴史を持ち、鎌倉時代には既に湧出していたと伝えられる。温泉宿としては元禄年間に信濃出身の齋藤孫左衛門により開かれ、現在も斎藤姓を名乗る一族の経営する宿が多い。白骨温泉はかつて「白船」とも呼ばれていたが、中里介山の小説『大菩薩峠』の中で「白骨」と呼ばれてから、現在の呼称が定着した。白骨の湯は一般に「乳白色の湯」として認知されているようだが、実は湧出時には無色透明であり、時間の経過によって白濁するらしく、タイミングや源泉によっ

扉温泉

扉温泉(とびらおんせん)の「桧の湯」に行ってきた。 扉温泉は長野県松本市東部の薄川渓谷をさかのぼった標高1,100 mの山奥にある。明治初年に地元の農民が発見したと伝えられている。温泉に一家言ある地元・松本の方々の間では良湯と評判で、「東の扉、西の白骨」と安曇村の白骨温泉と並び称されているらしい。 そんな良い温泉があるのなら行かねばならないだろう。 松本駅からは東へ約15キロ、駅前からの標高差は500メートル程度だ。いつも同様、秘湯というのは山深いところにある。 さあ

毒沢温泉 神乃湯

冬、毒沢温泉神乃湯(どくさわおんせんかみのゆ)へ行ってきた。独特の泉質で温泉通に人気だ。信州下諏訪の山あいに位置しており、信玄の隠し湯としても有名だ。 毒沢温泉神乃湯 永禄年間、武田信玄の金鉱開発の際、けが人の治療に利用したのが毒沢温泉のはじまりと言われている。『神乃湯』は昭和9年に医者に見放された病を患う子を持った初代館主がお告げを受けてこの源泉を沸かして入浴させたところ病が完治、その噂を聞きつけて多くの人が訪れるようになったことで宿を開いた。屋号は『神乃湯』、奥には源泉

奥信濃 五色温泉五色の湯

秋。奥信濃・高山村にある五色の湯旅館の「五色の湯」(ごしきのゆ)へ日帰りで行ってきた。名湯である。また、松川渓谷の紅葉は盛りを過ぎていたが見事であった。 [走行データ] 距離 24 km 最大標高差 812 m 平均斜度 全体-1.5% 上り6.1% 下り5.4% 獲得標高 上り454 m 下り805 m 奥信濃高山村の山奥にある「五色の湯」には、公共交通機関では到達できない。従って、ブロンプトンに登場を願うことにする。 北陸新幹線で長野駅へ向かう。 長野電鉄に乗り換

中の湯温泉卜伝の湯

温泉マニア垂涎の秘湯「卜伝の湯」(ぼくでんのゆ)へ行ってきた。 卜伝の湯 足元湧出の洞窟風呂で湯質は単純泉。湯触りは意外にさらりとして上品。事前情報では湯の色は褐色とか黄土色ということであったが、私が訪れたときはブルーであった。戦国時代の剣豪中原卜伝(なかはらぼくでん)がこの湯で傷を癒したという言い伝えがある。 上高地へ通じる釜トンネルの入り口に「中の湯」のバス停がある。松本からは上高地行きバスにのってこのバス停で降りると良い。 バス停の脇に「中の湯温泉旅館」の連絡所を

小谷温泉 大湯元山田旅館

2014年は雪の多い年であった。 雪のシーズンがそろそろ終盤を迎えるころ、「小谷村」(おたりむら)へブロンプトンで日帰りで行ってきた。このあたりは特別豪雪地帯に指定されている日本で有数の豪雪地帯で、冬期の積雪はなんと4メートルを超える。『雪国の真打ち』と言っても良いだろう。 目的地は小谷温泉。信州と越後の国境(くにざかい)、標高850メートルの山中にある。弘治元年(1555年)、川中島の合戦の折りに、武田信玄の家臣、岡田甚一郎が薬師如来の夢のお告げで発見したと伝えられてい

本沢温泉 日本最高所の露天風呂

本澤温泉へ日帰りで行ってみた。南八ヶ岳の硫黄岳へ向かう途中、標高2150メートル地点にある日本最高所の露天風呂『雲上の湯』が目当てである。 早朝に北陸新幹線で佐久平駅まで行く。そして小海線に乗り換えて小海駅まで。登山口まではタクることにする。もちろん、ブロンプトン持参だ。 本沢温泉口からはフツーの車は入れない。ブロンプトンで登り始めたが、いきなりの急坂、でこぼこ道だ。まもなく、自転車を降りて押しの連続だ。超疲れるんですけど・・・。 【走行データ】 ルート: 本澤温泉口→

天空の白馬鑓温泉

白馬鑓温泉(はくばやりおんせん)は白馬連峰の鑓ヶ岳の標高2,100メートル地点にある。 北アルプス山中の標高2,100メートルというロケーションながら、天然湧出量がなんと毎分760リットル、源泉温度43.1℃、コンクリート打ちっぱなしながら20人ぐらい入っても大丈夫という本格露天風呂である。下界を見下ろす湯船の縁からは新鮮なお湯がざあざあ音を立てて滝のように(いや、あれはまさに滝だ)流れ下っていく様子は壮観である。 ちなみに標高日本一の温泉としてはみくりが池温泉(標高2,

雪の中房温泉

冬。北アルプスが雪に閉ざされる年末、『中房温泉』(なかぶさおんせん)へ行くことにした。 北アルプス燕岳(つばくろだけ)の登山口にある秘湯として知られ、標高1,462メートルの高地にある。中房温泉に通じる林道は既に雪に閉ざされて通行止め、到達困難度はかつてないレベルだ。スパイクタイヤを装着して、チャレンジだ。 [走行データ] 距離 36.8km (JR安曇追分駅~中房温泉往復) 最大標高差 957m 平均斜度 全体 0% 上り 6% 下り 6.1% 獲得標高 上り1,032

湯俣温泉

秘湯マニア垂涎の『湯俣温泉』はご存じですか。あまり知られていないダム湖の奥にある秘湯だ。信濃大町が最寄り駅となる。 湯俣温泉は標高1,534メートル。2,000メートル級の高峰に囲まれた秘境にある。 湯俣温泉は秘湯好きの方々の間で『究極の秘湯』として知られる。その理由の一つはアクセスの困難さにあるだろう。「歩いて往復6時間以上、歩く以外にアクセス方法無し」である。自転車は途中のトンネル通過が管理者により禁じられているので、事実上、進入不能である。ネット上で「自転車で行った

雪の中房温泉その2

『中房温泉』(なかぶさおんせん)を目指してスパイクタイヤ を装着したブロンプトンで走行中だ。安曇追分駅をスタートしてから既に3時間、標高は既に1,400メートルを越えた。 ロードコンディションはさらにチャレンジングな状況となってきた。この坂は硬く凍結していたので大丈夫だったが、ブロンプトンのタイヤが新雪で滑ってどうしても登りきれない箇所も出てきた。そういう場合は押して登るのだが、その際、靴裏に新雪が付くと、その雪がペダルにも付着して凍りつき、踏み込みで滑るのには参った。

湯俣温泉その2

吊り橋を渡ると晴嵐荘だ。 晴嵐荘に着いた。晴嵐荘は高瀬川の上流、湯俣川と水俣川の合流点にある山小屋だ。標高は1534メートル。 ところが、晴嵐荘では朝の内湯の清掃中だった。お兄さんに「少し先の『露天風呂』に入ってきてはどうか」と勧められる。もちろんだ。ここからさらに奥へ向かって噴湯丘の少し手前、歩いて10分くらいのところにあるという。行ってみよう。 落ちたら大変。 多分こんなことになると思って、ブロンプトンは晴嵐荘に置いてきた。私は最近、かなり賢こくなってきた。 よ