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ウェブサイト制作時の他社事例調査の項目をまとめてみました(競合他社調査の実践記録)

はじめまして。とま(@bath_ito)と申します。

本記事は、ウェブサイト制作における他社事例調査の項目についての備忘録です。
対象としている方は以下の通りです。

  • これからウェブサイトを制作・リニューアルする予定の企業や個人

  • フリーランスやウェブ制作会社のウェブデザイナー

  • マーケティング担当者

みなさんの競合他社事例調査の一助となれますように。

👉ウェブサイト制作における他社事例調査の重要性

まずはじめに他社事例調査がウェブサイト制作における重要な工程であることを確認させてください。
他社事例から学ぶことのメリットとして以下が挙げられます。

🥳他社事例調査で得られるメリット

  1. 競合他社との差別化ポイントが明確になる

    • 競合他社のウェブサイト戦略、ターゲット顧客層、コンテンツ、UXデザインを分析することで、自社サイトの差別化ポイント、強みと弱みを明確になる

  2. 自社ウェブサイトの質向上につながる

    • 他社のウェブサイトの優れた部分を見つけベンチマークを得ることができる

    • 効果的なコンテンツ作成のためのヒントが見つかる

  3. 最新のウェブデザイントレンドや機能性の理解につながる


✅他社事例調査の具体的な進め方

🏹調査対象の選定方法

他社事例調査を行うにあたり、まず調査対象を慎重に選定することが重要です。選定ポイントをクライアントと共有し合意を取りながら選定しましょう。

個人的なおすすめは以下の観点で競合他社を選定することです。

  • 業界と事業領域が似ている

    • 同じ業界で事業を展開している企業

    • 提供している製品やサービスが類似している企業

      • 自社製品やサービスに関連するキーワードで検索した際に、上位に表示される企業(SEOの観点からも競合相手となる)

  • ターゲット顧客が合致している

    • 自社と同じようなターゲット顧客を持つ企業

      • 特に顧客の属性、ニーズ、行動パターンなどが似ている企業

  • 市場シェアと規模が近い・または目指したい

    • 市場シェアが高い企業や、事業規模が同程度の企業

    • 「比較サイト」などに掲載されている企業も参考にする

💡調査すべきポイント

今回の調査のポイントとしては大きく以下の5点です。その他案件の特性や目的に応じて増やしてください。

  1. コンテンツ

  2. ユーザー導線/情報設計

  3. ユーザビリティ

  4. デザイン

  5. SEO

上記の分類と、後ほど記載する項目一覧は才流様の「競合分析テンプレート」を参考に、ウェブサイト制作用に作り変えています。

🔍調査方法

調査の方法としては主にウェブサイトの閲覧になります。

  • ウェブサイトの閲覧

    • ユーザビリティや導線などを調査する際は、簡易的なウォークスルー評価も実施するとよいです

  • ソースコードの確認

  • 分析ツールの使用

    • Lighthouseなどのツール

    • 自社のGoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleの情報も調査の際に役立ちます。自然流入キーワード(どんな検索ワードでたどり着いたのか)など確認しておきます。

📑調査結果の整理

調査結果をExcelやスプレッドシートなどで一覧化します。
各項目について、他社と比べた結果抽出した自社サイトの課題自社に活かせる点考察などを記載します。

他社調査結果一覧例

洗い出した内容を整理し、施策を検討します。
そして施策の実現コスト優先度を加味して、プロジェクトで実施するタスクを決定します。


📄調査項目一覧

本題の調査項目一覧を掲載します。以下の順に詳細を記載します。

  1. 基本情報

  2. コンテンツ

  3. ユーザー導線/情報設計

  4. ユーザビリティ

  5. デザイン

  6. SEO

1.基本情報

  • 会社名(正式)

  • サイトURL

  • 事業内容

  • ターゲットユーザー ※1

※1ターゲットユーザーは、ウェブサイトから読み取れる情報(導入事例や、サービス特性などから読み取れる内容)で、推測する

2.コンテンツ

  • 主要なコンテンツ ※2

  • メインのメッセージ

  • 「〇〇の会社」という説明(トップページから読み取れる会社の一言説明)

  • 権威性のコンテンツの有無

    • 設立年

    • 沿革

    • 従業員数

    • 経営陣の詳細

    • 事業規模、拠点数

    • 業界認証

    • 受賞歴

    • メディア掲載歴

    • 主要な提携企業や団体

    • その他その他企業の信頼感に繋がりそうなコンテンツ

  • 独自コンテンツ

  • コンテンツの種類(テキスト、ビデオ、インフォグラフィックなど)

  • コンテンツの量と質

  • ブログ/ニュースセクションの更新頻度

  • ブログ/ニュースセクションの主なテーマ(カテゴリ)

  • ユーザー生成コンテンツの有無(レビュー、コメントなど)

  • SNSとの連携コンテンツ

  • サービス実績

    • 導入社数

    • 主要な導入企業

    • 業種別の導入社数

    • 公開事例数

    • 業種別の事例数

    • 事例紹介ページのコンテンツ量と質

※2「主要なコンテンツ」は、グローバルナビゲーションの項目を洗い出すとよいです。
グローバルナビゲーションは全ページに共通で設置されている主要ページのリンクです。下図の緑枠線部分です。

note株式会社ホームページのグローバルナビゲーション

3.ユーザー導線/情報設計

  • ファーストビューの内容

  • ナビゲーション

  • パンくずリストの有無・構造

  • CTAの種類 ※3

  • CTAの配置

  • CTAのデザイン

  • フォーム類の種類と導線

  • サイト構造の深さ

※3 CTAはCall to Actionの略で、ユーザーに特定のアクションを促すための明確な指示やボタンのことです。CTAの種類としては、以下のような例が挙げられます。
- 購入ボタン … ECサイトでよく使用される
- 登録ボタン … 「無料登録」「アカウント作成」など
- 資料請求ボタン
- 問い合わせボタン
- 申し込みボタン
- シェアボタン
- 外部遷移ボタン

4.ユーザビリティ

  • ページ読み込み速度(パフォーマンス) ※4

  • 検索機能の有無・精度・使いやすさ

  • モバイルフレンドリー(レスポンシブ)

  • モバイル専用デザインの有無

  • アクセシビリティ(WCAG基準に準拠しているか)

  • フォームの使いやすさ

  • インタラクティブな要素(アニメーション、ホバーエフェクトなど)

※4 ページ読み込み速度(パフォーマンス)は、PageSpeed InsightsまたはLighthouseを用いて計測します。

例:noteのサイトパフォーマンス計測結果

5.デザイン

  • 全体の印象としてブランドイメージを表現できているか

  • 全体的に視覚的な一貫性があるか

  • トーン&マナー

    • 配色

    • タイポグラフィ

    • レイアウト ※5

    • 画像、イラスト、アイコンの扱い

    • 動画の使用

※5 レイアウトの種類は以下のようなものがあります。
- 固定幅レイアウト … コンテンツの幅が固定されており、画面サイズが変更されてもレイアウトは変化しないデザイン
- グリッドレイアウト
- リキッドレイアウト … 幅をパーセンテージで設定し、画面サイズに応じて要素が拡大・縮小する
- レスポンシブレイアウト
- アダプティブレイアウト … 特定の画面サイズに対して異なるレイアウトを用意
- シングルページレイアウト … 1ページに全てのコンテンツをまとめ、スクロールで移動。LP
- 1カラムレイアウト
- 2カラムレイアウト
- 非対称レイアウト
- masonryレイアウト

レイアウトの実例はこちらのサイトを参照してください。

6.SEO

🙇おわりに

約60の調査項目を紹介いたしました。ウェブサイトの特性や目的に合わせて増減させて使ってみてください。

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