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【病院事務長の悩み】病院労務管理の課題あるある (前半)

 昨今は、医師も含めた働き方改革等の時代の流れもあり、社労士を顧問において、規程改善や労務管理の整備に取り組んでいる病院も多数あります。
 実態は、病院は職種も勤務形態も様々あり、医師を頂点としたヒエラルキーが色濃く残り、ローカルルールが未だ根強く継承されている状態です。
顧問レベルの社労士では把握がむずかしいし、または把握できていたとしても具体的な解決策がなかなか進まないのが現状です。
 そんな病院の労務管理関連の課題のあるあるを列挙してみます。
これらは、正しい運用とは思っていないが、大きくは困らないし、長年やってきたので惰性でそのままにしていることが多い事案です。
 皆様の病院でも思い当たるところがいくつかあるのではないでしょうか



①雇用契約書の運用(様式)

雇用契約書は、雇用形態・職種にかかわらず、ひとつのひな型をその都度直して使っている

②雇用契約書の運用(変更ルール)

賃金項目の追加や削除時に都度雇用契約書を変更し契約更新する運用になっている

③雇用契約書の運用(雇用形態の区別)

契約職員と定年後再雇用(嘱託)の雇用条件・雇用契約書は同じ扱いにしている

④雇用契約書の運用(雇用形態の変更時)

雇用形態の変更(時短含む)の際には、職種変更届だけで済ませている

⑤雇用契約書の運用(常勤医師)

常勤医師の週の勤務日数が変わった場合でも雇用契約書は更新していない

⑥雇用契約書の運用(非常勤医師)

非常勤医師との雇用契約書は簡易なもので、細かな雇用条件(各種手当、残業や遅刻早退時の処理、契約解除申し入れ期限)は口頭で説明している

⑦労働条件通知書の絶対的記載事項

絶対的記載事項は、以前より使っている書式で主な事項のみ提示している

⑧パート・アルバイトの雇用条件

パート・アルバイトは、契約書で所定日数や時間数を明確に定めず、働けるときに働く出来高になっていて、体制が組みにくい

⑨無期転換(雇用契約書への明記および周知)

有期雇用更新が5年超で繰り返された場合の無期転換は雇用契約書に記載していても説明や周知をしていない

⑩無期転換(定年後の継続雇用者に対する第2種計画申請)

定年後の継続雇用者に対する第2種計画申請は知らないので申請していなかった

⑪常勤医師の週単位の所定労働時間

常勤医師の週単位の所定労働時間は、変更の結果、実態は32時間に満たない場合もある

⑫労災適用事由の発生後3日の取り扱い

労災適用の場合、発生後3日間は除外されるが、極力有給休暇で対応させて、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合の”平均賃金6割以上の手当”を適用していない

とりあえず書き出してみただけでもこれだけありました。まだ沢山あるのですが、一挙に掲載するのは書くのも読むの大変なので、前半・後半に分けて掲載いたします。
(2024-6-4改訂)

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