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歩いてみよう!競歩概論(2単位)

こんにちは、中長歩パート3年目の石塚壮一朗です。

私は、中長歩パートの「歩」の部分を半分背負っています。この競歩概論の講義では、私自身の過去の振り返り、私なりの競歩競技の魅力などについて書いてみたいと思います。タイトルを見ると講義っぽいですが、ただのブログなので気楽に読んでみてください!

まずは自己紹介をします!

学部:理学部数学科
身長:175cm
PB:5000mW 25'18"99
   10000mW 54'10"47
出身等:北海道(江別市)
好きな公式:オイラーの公式  $${e^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta}$$

ちなみに、WというのはWalkで、競歩のことです。(笑)ではありません。
PBについて、今年はそれぞれ、23分切り、50分切りを目指していきたいです!
オイラーの公式は、$${\theta}$$に$${\pi}$$を代入すると、本当に美しいです!知らない人は一度調べてみてください!

まずは、小学校、中学校、高校、大学などの過去を振り返ります。

【習い事の全てが今に繋がる】

小学校では水泳、ピアノ、合唱などを習っていました。特に合唱については、6年生時のNHK全国学校音楽コンクールで、全国大会にはあと一歩届かなかったですが、北海道内2位まで上り詰めたのは良い思い出です。習い事を通して、基礎体力や肺活量が鍛えられたと思っています。

中学校では、水泳と合唱はやめ、ピアノは続けました。部活は合唱繋がりで吹奏楽部に入る気満々でした。しかし、何がきっかけかはあまり覚えていないのですが、いつの間にかサッカー部に入部していました!まだあまり部活動の規制などが無く、毎日の練習の最初に5kmのロードメニューがありました。長距離だけ得意になり、サッカーの技術はあまり向上しない日々…。中体連は市内最下位で終わり、団体競技は向いていないと思いました。

高校では、ピアノもやめて帰宅部にしようと思っていたのですが、気の合った友達に誘われ陸上競技部に入部しました。中学で得意になった長距離を始めてみようと思っていましたが、ここから私の人生が大きく変わります。

「あの先輩、歩いてね?」

これが私と競歩の出会いでした。小中の習い事や部活動を改めて振り返ってみると、自分って、新しいことに挑戦するのが好きなんじゃないかなーって思ったんです。先輩と試しに競歩の練習してみると、最初はめちゃくちゃ足が痛くなりましたが、初めての大会から歩き切ることができました。高校2年生では高校駅伝に出場することもでき、競歩と長距離ともに楽しむことができました。しかし、インターハイに行けなかったのは高校での唯一の悔いです。

高校2年生の全道高校駅伝(一応走れます)

大学では、部活やサークルに入る予定はもともと無かったのですが、ある先輩に誘われて、長距離や競歩を続けることに決めました。サークルや部活動で、どれに入ろうか迷っている新入生のみなさん、大学での1つ1つの"出会い"を大切にしてください。その上で自分の意思を大切にして、大学で自分が何をすべきかを決めてください。私はいつでも、本気で歩いてみたい人を待っています!

さて、過去を振り返るのはこの辺で終わりにしましょう。
皆さんは競歩と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

【ルールが招く頭脳戦】

皆さんは、2020東京オリンピックの競歩競技が、札幌市で行われたことはご存知でしょうか。マラソンは北海道大学内がコースになったことは有名だと思いますが、競歩は札幌駅前通り(チ・カ・ホの真上)の1周2kmのコースで開催されました。札幌開催案が浮上したのは、私が高校1年生の時(2019年秋頃)でした。そのとき、札幌市内の高校生で競歩をやっている生徒の1人として、テレビや新聞の取材を受けて意見を求められたのは今では良い思い出です!沿道観戦が自粛されていたため、家のテレビで見ていましたが、特に男子の20km競歩は日本勢が銀メダルと銅メダルを獲得するなど、白熱しましたね!実は、その日のコンディションは、北海道では珍しいほどの異常な暑さだったのですが、テレビ中継の中でM岡S造さんという常に熱い人が朝早くから札幌を訪れていたことが分かり、暑さに納得しました。
因果関係は全くありませんね、すみません。

テレビ中継で様々な選手を見ていると、競技中に頭をフル回転させて、相当な集中力が必要な競技だと改めて思いました。競歩には結構細かいルールがあります。競歩で知っておくべきルールは、この3つです。

① ベント・ニー(bent knee)
 前脚は地面に着いてから地面と垂直になるまで膝をのばす。
②ロス・オブ・コンタクト(loss of contact)
 常にどちらかの脚が地面に接している必要がある。
③ ①と②に関する警告3回で失格(イエローパドルは注意であり、警告を意味しない。)(ペナルティーゾーンが設定されている競技会では、警告3回の後にペナルティーゾーンで数分間待機、その後警告1回で失格となる。)

★これは試験があったら出そうかと思うくらい重要です。

地面に接地している脚の膝は曲がっていない。
地面から離れている脚の膝は曲がっても大丈夫。

よくある誤解として、両脚ともずっと伸ばしていなければならないのではないか、と解釈する人がいますが、そうするとコサックダンスのようになってしまい、スピードも遅くなり怪我の原因にもなります。気を付けましょう。

日本国内の全国大会では、JRWJ(Japan Race Walking Judges)と呼ばれる、日本陸連認証の競歩審判員が、①~③のルールについてジャッジすることが多いようです。日本には数十人しかいないらしいです。審判の際に、客観的事実ではなく、目視という主観的要素が入るというのが、記録が全てである陸上競技の中でも、少々陸上競技っぽくないような気もします。裏を返せば、①と②のルールさえ守り、審判員から歩いていると判定されれば、どのようなフォームでも歩いて良いのです。体と地面が垂直で、速い選手が多いように思えますが、めちゃくちゃ前傾でも速い選手はいます。私はまだまだフォームやピッチに改善の余地が多いので、上位選手のレベルには達していませんが、競歩のフォームの研究は、練習中に撮ってくれた動画を確認すると議論が捗り、正しい答えが無いようで結構面白いです。これが競歩の魅力だと、私は思っています。

オリンピックや世界陸上の競歩を見返すと、最初の時間は誰に着いていくか、いつ自分が仕掛けるか、給水はどのタイミングでなにを飲むのか、暑さ対策グッズをいつ使うのか(帽子の中に氷を入れたりしていた?)、自分には警告が何回出ていて、どれくらい攻めれる余裕があるのか、他選手には警告が何回出ていて、どれくらい余裕があるのか、などなど、各選手が体だけではなく、頭をフル回転させていたのだと思う瞬間がいくつもありました。

私も、最初に突っ込むのではなく、競技中も頭を使えるようにならないといけないと思いましたね…。

ちなみに、2024年のパリオリンピックでは、「50km競歩」が廃止され、「マラソン競歩混合リレー」というのが新種目として追加されます。皆さんで日本勢を応援しましょう!

【運動が足りていない方へ】

ここまでで少しでも競歩について興味を持っていただけたでしょうか?
歩くことは健康に良いです。「競歩をやれ!」とまでは言わないので、普段車や交通機関を使っている人で、ランニングやジョギングなどの運動が苦手な人は、通勤通学時間や日頃から、正しいフォームで歩いてみる、早歩きしてみるという意識をするだけで、健康に良いです。ランニングやジョギングよりも負荷が小さく、私は競歩を始めてからこれまでに怪我をしたことがありません!普段の姿勢も良くなるので、皆さん、ぜひ日頃から歩いてみましょう!

そろそろ、講義も終わろうと思います。
最後に、せっかくなので少しだけ陸上全体の話もしたいと思います。

【陸上競技は団体競技だ!】

私が競歩競技をしているとき、周りには応援してくれる仲間がいます。感謝してもしきれないのですが、応援というのは、1人では発揮できない謎の力を、心の奥底から引き出してくれます。1人では辛くて、もうやめようと思っても、応援によって、最後まで歩き切ることができています。このように陸上競技は個人競技だと思われがちですが、考え方によっては、実は団体競技なのです。私が中学生のとき、サッカー部だったという話を最初の方にしましたが、団体競技が向いていなかったのではなく、「他人のことを考える力がまだ十分には無く、未熟だった」と考えた方が良かったのかもしれません。私はまだ、選手をサポートするという意味で十分に活躍できていないので、これからも陸上競技を通して、他人のことを考えて行動できるようになる訓練も続けていきたいと思っています。

いつも応援してくれる仲間たち

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
競歩概論としての成績評価を載せておきます(笑)。
☆成績評価:最終実技試験で50kmを3時間32分33秒以内に歩き切る→A+、歩き切る→A、途中失格→D、意図的に走る→F。
最終実技試験に向けて、みなさん是非一度は、北大陸上グラウンドに練習してきて、A+を目指して頑張ってください!
本日の講義は以上です。

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