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野呂を驚かせてえ

初めまして!陸上部6年目、工学院修士2年の林亮佑です。
七大戦も、もう2週間前。私はオープン5000mに出ていました。調子が良かったので、ワンちゃん自己ベスト近い14分40秒ぐらい出せるのではと思っていましたが、暑さにやられ15分54秒(こんなタイムでもオープン全体4番)。今も若干、七大戦での暑さのダメージを引きずっています。熱戦を繰り広げた対抗選手たちはすごい、ほんとに。

七大戦@名古屋で同期と

ここで、私のプロフィールを挟みます。

出身:兵庫県神戸市(本山中学校→御影高校)
学部:工学院北方圏環境政策工学専攻
自己ベスト:
800m:1'54"79 (UB:1'56"13)
1500m:3'47"78
5000m:14'37"54
座右の銘:未来は僕らの手の中 (amazarashiの歌詞で好きになりました)

高校時代は800m、1500mを主戦場としていましたが、800mのスピードに限界を感じたり、他の選手との棲み分けがあったりして、大学では1500m, 5000mを主にやってきました。

お題:駅伝について

さて、今回は「駅伝について」というお題をもらいました。2024年8月17日(土)、真駒内公園で駅伝が開催されます。全日本大学駅伝の北海道予選です。通称、北海道大学駅伝は毎年8月ど真ん中に開催されます。

涼しいとされる北海道も、年々気温が上がってきています (住んで6年目の我が家にもとうとうクーラーが設置予定)。現時点の天気予報では8月17日は最高気温31度ですから、油断しているとやられます。名古屋での反省を活かす(前半「この暑さでこのペース、死ぬでは?」と思いながら付いていき、無事炎上する)など、出来る対策を行っていきたいです。

さて、「駅伝について」ということで。中高大と陸上を続けてきて、両手では数えきれない数の駅伝を走ってきました。ぶっちゃけ、駅伝の走るところだけを見ると、私としては苦手なものの集まりって感じです。ロードも単独走も苦手です。駅伝さえなければこの苦手なものからも目を背けていられるのに…とも思います。

でも駅伝、好きなんですよね。苦手があっても、駅伝をやりたい、そう思わせる魅力があるわけです。なので、このnoteでは三浦しをんさんの『風が強く吹いている』を読みながら「なぜ駅伝を走ってしまうのか」を少しお伝えします(これを機会に読み返したかったのは内緒)。

地元の地区対抗駅伝で;中高と襷を繋いだ人たちと走ったり

なんで駅伝、走っちゃうのだろう

「走るというさびしい行為を通して、一瞬だけ触れ合い、つながる喜び」

三浦しをん「風が強く吹いている」

駅伝の魅力は『風が強く吹いている』の上記の言葉に表されていると思います。練習も、駅伝本番でさえも、走っている時は一人です。駅伝は、ロードレースを直列に接続しただけ、形式上はそう言えます。でも違うんですね。駅伝には、喜びー楽しさではないーがあります。

個人種目の多い陸上競技の中で、私たちが他者と強い繋がりを感じることは少ない。1500mや5000mに向かう中で、チームメイト、他人のことを、自分ごととして捉えられる場面は正直少ない。自分に向き合い、いかにすればより良い順位を、タイムを出せるかを追求していく過程は、楽しくもあり、しかしどこか閉塞感がつきまといます。

でも、駅伝は走りを繋げることです。全員で繋いだものが、結果になります。駅伝に向かっていく中で、自分一人で挑むものではないことを、何が何でも痛感させられます。〇〇が怪我をした、〇〇の調子がいい、そう言ったことが全て自分ごとと感じられます。全員がお互いをよく理解し、一体となって臨むとき、そこで生まれ出る喜びは駅伝固有に思えます。

普段気づけないからこその喜びもある

『風が強く吹いている』は部員が駅伝に必要な人数10人ぴったりという、ちょっと無茶のある設定で「全員で繋ぐ」ということの喜びを強く表しています。そして、繋がりというものを知らなかった主人公の走(かける)と一緒に、その喜びを知っていくことができます。

「厳しくなきゃ走らないやつも、楽しくなきゃ走れないやつも、走るのなんてやめればいい。」

「一人で走ってきたのに。いまだって、一人で走っているのに。俺は何かを期待しているらしい。」

「走りとは力だ。スピードではなく、一人のままで誰かとつながれる強さだ。」

三浦しをん「風が強く吹いている」の主人公の言葉

で、「風が強く吹いている」を読みながら駅伝の魅力を思い返してきました。読むのは2度目ですが、「ああ、こんなラストだったんだ」と思ったり。いくつか駅伝の小説を読んできたので、記憶が交錯していました。

「風が強く吹いている」、とっても面白いので読んでほしいです(読んだことある人も再読してみて!)。

この本が出た時、「まるでファンタジーだ」という感想が寄せられたそうです。でも、陸上をやってきて思いますが、ここで描かれている選手たちの感情、思いは現実と違いないです。何キロも走って走って、他のスポーツに比べれば面白みも少なそう、苦しさだけ多そうな駅伝。なんで大学生になってまで頑張るんだ?ということは、この本を読んでいただければ、理解してもらえると思います。

最後に

最後に、北海道大学駅伝の目標を。タイトルのやつです。ある日、野呂に「昔の林さんの走りはすごくて、驚くことが多かったけれど、最近はダメ」(林の記憶より)と言われ、「じゃあお前!驚かせたろうやないか!」と思ったわけです。今年度最初に、部活全体のミーティングでこの目標を掲げましたが、情けないことに、まだ達成できていません。駅伝で驚かせてやりてえ。

先輩にこんなこと言ってくる野呂くんですが、この1年PCとして我々を引っ張ってくれました。同期がいない中で、他の人に頼ることが難しい中で、自分たちを勇気づけてくれたんですね。野呂が1年間、長距離を率いて良かったと少しでも思えるように、全員、駅伝に向かって参りましょう!!

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