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減薬したら大コケした話

6回目のカウンセリング前後、体調の記録も書けないくらい調子を崩していた。

しかし、体調が悪ければ悪いほど、治療に力を入れたくなってしまうのが悪循環の始まりだった。
思考力や判断力も奪われ、減薬したことなどすっかり忘れて丸一か月翻弄された。自戒をこめてここに記録する。

今回経験した調子の悪さ
・フラッシュバックが出やすい
・普通に過ごす時間がない
・起きているのに活動できない時間がある
・中途覚醒が増えた(ほぼ毎晩2-3回)
・朝起きた時点で気力・体力がない、充電1%な感じ
・すぐ疲れる、疲れが取れない
・今まで気に入っていたセルフケアが効かない
・日常の記憶が飛びがち
・運転中に急な眠気が来る
・食欲がない・食べたいものが分からない
・抜け毛が増える、ニキビが増える              etc.

一か月も気づかなかった理由

私は現在心療科に通院し、内服薬と頓服をもらっている。今回は内服薬を1錠から0.5錠に減らしていた。

ここまで不調が出ていながら、減薬のせいだと気付かなかった理由は「普通に過ごす時間がない」あまりに、体調の振り返りができなかったことが大きい。去年の12月から毎日つけている体調のノートも、この一か月は半分以上白紙のままである。日常の記憶も飛びがちになり、昨日何を食べたか思い出せないことも多々あった。今日こそは書くぞを机に向かっても、数日分遡ってノートに書くことができなかった。

次の病院の予約が一か月先だったこともある。薬の量を変更したのに、私も主治医も一か月先で大丈夫だと思っていた。普通、内服薬の種類や量を変えたら、次の予約は1週間か2週間先にして、様子を確認することが多いのだが。最近の通院は月一だったので、いつも通りという感じで一か月先にしたのだった。今は量を元に戻して、2週間後に予約を取ってある。

薬が効いているという自覚があったのも要因の一つだ。毎日服用するその薬は、服用後30分くらいでとても眠くなる。毎日、時間通りにしっかり眠くなり、「今日も薬がしっかり効いているなー」と思っていたのであった。

調子の悪くなり方のせいでもある。当たり前だが、調子の悪さは全てトラウマ由来で、言ってしまえば慣れている。フラッシュバックが増えても、トリガーに出会うことはコントロールできないから仕方ない。カウンセリングでEMDRをして記憶のフタが開いたからかな、この前の予想外の大きなトリガーで思いっきりトラウマ反応が出たし、その影響が長引いているのかも…。調子が悪い、調子が悪い、と思いながら視野が狭まり、直近の原因を見ることしかできなかった。実際には、閾値が低くなっていて、普段は平気なものでもトリガーになってフラッシュバックに苦しんでいた。

そうなると、セルフケアはトラウマに触れる方向へ進んでいく。カウンセリングにも通っていて、こんなにしんどいなら、治療が足りない・遅いのでは?と。この期間に『悪い私はいない』を読み終えたのもタイミングが悪かった。ChatGPTを使いながら自分でIFSに取り組んでみたりして、しかも防衛パーツを迂回してエグザイルに接触しようとしていた(本には自分でやらないでと書かれている)。
就寝前など、呼んでないのにパーツが出てくるようになった。夢の中でも大暴れし、何人も出てきて(これはパーツが出てきすぎている…)と夢の中で思った記憶がある。

朝起きた時点で充電1%、ちょっとマシになったら活動し、すぐにへとへとになり、昼寝しようにもパーツが出ててきてろくに眠れず、身体のだるさや思考から逃れるためにショート動画をひたすら見るという生活になった。もはや前までどうやって活動していたのか、落ち着いて過ごすのがどんな感じだったか思い出せなくなっていた。治療前に戻ってしまったかのような状態で、積み上げだ知識とセルフケアを駆使しても太刀打ちできなかった。

心理士さんに対しても疑問がわいてきた。不信感や失望が募っていき、他の人を探すべきかまで考えた。そんな中で6回目のカウンセリングに行き、思うように話せずに60分の傾聴で終わってしまった。

気づいたきっかけは体調のノート

一か月翻弄され、病院の予約の前日に体調の振り返りをした。半分以上白紙のノートを見返して、明らかに調子が悪いことを自覚した。ノートを付け始めて7か月くらい、こんなことは一度もなかった。何かがおかしい。ここで気付いた。もしかして、減薬のせいじゃないか?0.5錠に減らしたのはいつからだっけ?その前は普通に活動できていたんじゃないか?ノートを遡り、減薬の前後をよく読んだ。

翌日、主治医に伝えると薬の量を元に戻すことと、2週間後の予約を提案してきた。今は元の量に戻してから数日経ち、確信に変わった。これを書けるくらい活動できていいる。すでに抜け毛もニキビも落ち着いてきた。

なぜ減薬しようと思ったのか

そもそもなぜ減薬しようと思ったのか思い出せない。主治医に聞くと、「睡眠時間が10時間くらいと長く、活動時間を増やしたいから」とカルテから教えてくれた。

実は、今回の減薬より前から、次々といろんな薬を辞めたり減らしたりしていた。1月に心療科の内服薬を1.5錠から1錠に減らし、3月には内科でもらっていた痛み止め(腹痛)を中止していた。婦人科の薬も5月に半分に減った。そして6月に、胃薬の中止と心療科の内服薬を0.5錠に減らしたいと自分から提案したのだった。このまま心療科の薬を卒業できたらいいなとも思っていた。

現に、それまでの減薬はうまくいっていて、調子が良くなったから減らしてみる→なくても大丈夫。というのが繰り返されて、どんどん減薬したいと思っていた節がある。要は調子に乗っていた。それは、それだけ調子が良かったということでもある。根拠はないけれど良くなっていく気がする、大丈夫だと思える自信が出てきていた。

今は、トラウマ治療が終わるまで、この薬は減らさないぞーという気持ちだ。引っ越しに伴い転院もするけれど、この薬は今まで試した中で一番合うので継続したい。

補足

主治医も私も月一の通院と減薬に慣れてしまっていた。もし調子が悪かったら自分で量を調節してねと言われていたし、もっと早くに予約を取り直すことだってできた。私の不注意でというか、翻弄されすぎて、気付くことができなかったのが敗因だ。

教訓

私って、本当はこんなに悪い状態なのか。と改めて知った。セルフケアとトラウマ治療がうまくいっているから良くなってきたと思っていたが、まだまだ投薬に頼っている部分が大きいことを再認識できた。
治療中、恋愛で大コケした三森さんにとても親近感がわいた。

一生心療科や精神科に通い続けて投薬を続けるつもりはない。はっきり言って早く卒業したいと思っていたし、焦る気持ちもあった。が、もはやそんなことはどうでもいいと今は思う。セルフケアが効かない無力感、自分に対する失望、生活と人間関係が壊れていく恐ろしさを考えると、二度と経験したくない。
それどころか、運良く一か月で戻ってこれてよかったとすら思う。たまたま気づく機会があったこと、半年以上前から体調のノートをつけていたことに感謝しなければならない。あのまま悪循環に吞まれていったら戻ってこれなかった可能性だってある。危なかった。

トラウマ治療は続く。少しずつでも、失敗しても、進んでいきたい。