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社会人が専門学校で周りから浮かないための解決策はある?

社会人になってから、専門学校に通うことを選択する人が増えています。

文部科学省(2023年)によると平成20年度から増加に転じ、令和3年度の社会人入学者数は約1万9千人と最多となっていることから、専門学校への興味関心が高まっています。

社会人から専門学校へ行き、生涯学習やスキルアップを目的として入学しても当初の計画通りに上手く学校生活を送れているのでしょうか。

専門学校で表面化していない、社会人と10代の若い世代間ギャップの溝や、参考にするパンフレットやHPの情報と実際の雰囲気の違い、やる気のない生徒間の温度差など通ってみると思ってもみない選択のミスに気付くこともあります。

わたしも20代後半の社会人から調理の専門学校に通い卒業しました。

感じたことは世代間ギャップの溝や周りとの温度感の違い、実際通って肌で感じた違和感など、当初想像していた学校生活とはかけ離れてしまい、楽しむことはできなかったのです。

ここではその経験もふまえ社会人が専門学校に行ってから、浮かない存在にならずに、学校生活を充実したものとするにはどうすればよいかを考察します。

社会人の友達作り

学生の頃と違い、社会人になってから友達を作ることは難しくなります。

株式会社ALL CONNECTが行った、全国の20代~30代会社員男女600名に聞いた『SNSでの友達づくりに関する調査』によると

社会人になってからできた友達は「職場」が75.3%、次いで「SNS」で25.7%という数字が出ています。

さらにこの調査で、SNSを通じて友達をつくることに賛成しているのは76.0%と高い数字にあり、SNSをきっかけとして交流を図ったり友達を作ることに関心が高いことがわかります。

社会人の職業生活に関する悩み

厚生労働省(平成19年)労働者健康状況調査の概況で、職業生活で感じる精神的ストレス等の状況を調査しており、強い不安・悩み、ストレスがあるのは男性で59.2%、女性で56.3%です。

ストレス内容の男女別数値を見ると、「職場の人間関係の問題」(男30.4%、女50.5%)「会社の将来性の問題」(男29.1%、女12.9%)、「昇進、昇給の問題」(男24.9%、女15.6%)となっている。

悩みや不安があった時に相談できる人がいるかについては、
「相談できる人がいる」と答えた労働者の割合は89.7%で、その相手が「家族・友人」が85.6%、「上司・同僚」が65.5%となっている。

職業生活の中では社会人が人間関係の悩みを抱えつつも、誰かに相談しコミュニケーションを図りながら、社会生活を全うするための努力が垣間見えます。

社会人が専門学校で孤立する?

■なぜ社会人と10代や年下の層との溝は埋まらないのか

社会人から専門学校に入ると、職場の環境と違うところに違和感を感じることがあるでしょう。

専門学校は基本、勉強をする場所なのでノルマに追われたり、利益を上げることや人とのコミュニケーションを取ることが重視される職場とは違います。

専門学校に通う人の多くは10代で子供です。
仕事で社会人経験を積んでいる人と社会人経験が何もない人の価値観や考えがそもそも違っていて、話しが合わないのです。

さらに学校の先生が校内で光らせる目があります。それとプラスして、世間がもつ社会人のイメージに縛られてしまう悩みも出てくるでしょう。

社会人の良い大人が学校で真面目に勉強していなかったり、フラフラして遊んでいたり、10代の学生のノリで馬鹿騒ぎをすることは常識から考えてもできません。

子供ではある程度許されることが、社会人では許してもらえないこともありますので、学校内で積極的に行動することが制限されてしまいます。

10代の学生に仕事の話しをするわけにもいきません。
仕事の話しをしてもわからないでしょうし、相手もそういった話しは求めていません。

かといって、相手に合わせようとして流行や興味・関心ごとといった話しも世代間のギャップでかみ合いません。

そうなると話すことがないし、話しのしようがないのです。

専門学校は職場のように、仕事を円滑に進めるためのコミュニケーションをとる必要性はありません。
各々が好き勝手していても何も文句は言えないのです。

SNSで友達を作る割合が多い調査を見てきましたが、SNSでグループに入る、若い層のグループに社会人が入るのはとても難しいことだと思います。

グループに入れたとしても子供の中に大人が入ったところで何か進展することはありません。
まだ子供の学生が大人に向かって積極的にコミュニケーションを取ってくることはほとんどないからです。誰とでもすぐに仲良くなれる高いコミュニケーション能力がない限り、手のつけようがないのです。

■どうすれば社会人は専門学校で孤立せず浮かない存在になるのを回避できるか

子供の距離の縮め方は、日常での他愛のない話しやゲーム、面白いノリなどで構築関係を気付いていくため、テンションも高くできない、バカ騒ぎできない社会人が、周りの学生と距離を縮めて、その先の友人になるステップを踏むことがそもそも難しいです。

そうすると、「スキル・学習のために行く」という目標だけにフォーカスすることになってしまいます。

社会人である以上、周りの目が気になるので、ただ真面目に勉強せざるを得ない状況に追い込まれることは、目的達成目線でいえば素晴らしいことです。
しかし人間関係構築の目線でいえば大きく失敗していることになります。

たとえ専門学校で社会人が孤立しても、クビになることはないですし文句を言われることはありません。

周りから浮いてしまうと、人間関係での諦めの気持ちや意欲は半減し、物事をマイナスに捉え状況としては良くない方向にいってしまいます。

周りから浮かないためには「世代間のギャップを埋めることは難しいんだ」と割り切って、自分が楽しむマインドを持ち続けることが大事だと感じます。
少し考えを柔らかくして、どう転ぼうとも気楽な気持ちで楽しむ余裕があれば、周りに馴染むことは可能なことであり、学校生活を楽しめるはずなのです。

周りと上手くいかないところに全てフォーカスしてしまうと、国家資格を取ることや、スキルを高めるために選択した一番大切な目的が達成できず、途中退校して労力とお金を無駄にしかねません。

10代の若い人でも途中退校する層は一定数いました。
40代~60代で専門学校に通っていた人達が学校生活を楽しむための工夫として、いい意味で割り切ったマインドを持って深く考えず、でも目標はしっかり達成するという信念を持って通っていたように思えます。

専門学校の業界によっても人の価値観や考えは違いますので、努力しなくても人間関係に恵まれることはあるでしょう。

最終的には、人任せにせず本人が納得した学校生活を送れるように努力することも大事です。

さいごに

社会経験がある社会人と、社会経験が何もない若い年齢層との溝はどうしても埋まりにくいです。

社会人であれば、自分で考えて計画を立てて目標に向かった行動をすることができるはずです。
もし学校で孤立したり、周りから浮いていたとしてもその部分だけにフォーカスせずに、目標達成のために動くことができると思います。

社会でいろいろな経験をしているということは、社会人にしかない経験という武器を持っています。

専門学校にせっかく行くのであれば、楽しく通いたいと考えると思いますが、周りから浮かなかくても勉強についていけず途中で退校したり、最終的に資格を取れないと本末転倒です。

専門学校で友達ができたらラッキーと思えるくらいの余裕さと、学校や周りに対して期待を持ちすぎず、自然の流れに身を任せてみるのも悪くないことかもしれません。


参考文献

文部科学省 「学校基本調査報告書」

厚生労働省(平成19年)「労働者健康状況調査の概況」

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