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エッセイ:逃避する人生

ㅤ昔から勝負事に向いていない。対戦ゲームなんかは得意な方だったけれど、現実の勝負事はこれっきしダメ。がめつさみたいなものが全くない。
ㅤゲームで熱くなれるのは、勝っても何も残らないからなんだね。現実の勝負事も突き詰めればそうなんだけど、一応リアルの勝負は生活に関わってきたりなんかする。
ㅤ他人を出し抜いてまで自分が勝つ、みたいなガッツのある人はどこからそのエネルギーが湧いているんだろう。僕は端から諦めるどころか、その目標設定自体をあんまり信用していない。
ㅤ別に現実で勝ちまくることで満足する人はそれで良いんだ。ただそうでない場合。他人様がルールを作ったゲームで勝つんじゃなくて、自分の作ったルールのゲームで勝ちたい場合。これを広げてくと新興宗教の教祖だとか、赤軍派になるんだろうな。毛沢東は自分という基礎の上に立つ、なんて言うけれど。
ㅤ別に僕はそういうつもりも無いんだな。誰かのルールで勝負することもなく、自分のルールを押し付けることもなく、勝負に不戦敗を叩きつけながら逃げ回るような人生。そういうのに憧れるね。自由ってそういうことなんじゃないか。知らんけど。
ㅤ他に何もいらないから、ただ幽霊みたいに浮いたまま生きていたいな。ずっと寝てたい。

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