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【小説】約束した魂 #3 -出逢いと始まり3-

恋愛小説風エッセイ
-ソウルメイトが出逢った先-

運命と葛藤と愛
不思議な出来事に導かれて繋がった
二人の物語。

10年以上も昔の
私の実体験が題材となっています。

見えない世界が繋ぎ、愛を体験していくお話です。不可思議体験は実体験そのままですので、その時の葛藤なども感じていただけたら嬉しいです。

*・*・*・*・*・*

*主人公 真紘(マヒロ)
*相手 悠祐(ユウスケ)

前回の内容はこちら↓

*・*・*・*・*

心は完全に揺さぶられ始めていました。

旦那さんと夕食を共にしながらも、携帯のメールが気になって仕方ない。

ユウくんのこと、好きになり始めていて、一生懸命に感情を抑えようとしている自分がいました。

ただの友人。
優しくて面白い、お兄ちゃん。

そう、強いて言うなら…
お兄ちゃん。

あまりに噛み合う感覚に、友人以上のような近さは感じていました。

でも、恋愛なんて絶対に駄目だから…
お兄ちゃん。

身内のような、親しさ。

だから、お兄ちゃん。
それが一番、いい気がするよ。

と思おうとしている私の心を気にかけることもなく、ユウくんは私に仕掛けてきました。

ユウくんは私を口説き始めるのです。

「真紘のこと、好きだよ」
平気でそんなことを言ってくる。

少しだけ、キュンとする。

嬉しい気持ちと共に、警戒心は並行していて、いやいや、ただの友人、お兄ちゃん的存在!

そんな風に心を流していきます。

でもユウくんは口説くことをやめません。

ある時
「俺のものになりなよ(笑)」
と言ってきました。

「え?」

いやいや、笑いながらだから…
きっと冗談でしょ

というか
そうやっていつも
女の子を口説いているはず

"俺のもの"
という表現に
一瞬ドキッとしてしまったけど…
それは"俺様な表現"に
ただドキドキしただけのこと

きっとそう…
だと思いたい…

私はユウくんの冗談を笑って流しました。

でもその日から、ユウくんは畳み掛けるかのように、私を口説き始めるようになります。

「ねぇ、俺のものになりな」

「ならない(笑)」

「なんだよー」

絶対に乗らない
こんな遊んでる男に私は騙されたりしない!

私は初めて電話で話した時のことを忘れてはいません。

奥さんの他に、彼女と呼べる女性が"二人"いること。その中での、彼女と呼ばれている人たちへの気持ちの"程度"も聞いている。

単純に"女の子が好き"…
というのも分かってる。

もしも手を取ってしまったら、確実に私は悩まされることになる。

俺のものになれと言われても、当然に警戒心を最大限にして、私は必死に心を閉じて笑い流しました。

でも…
普通の会話はめちゃくちゃ楽しい。

そして相変わらず、話や愚痴はちゃんと聞いてくれます。話を聞いてもらえて会話が成り立つことだけでも、嬉しいと感じてしまう自分が悔しくなります。

「ねぇ、ユウくん。
ちょっと相談なんだけどね…
旦那さんからのメールの返信が少ないわけ。
夕ご飯の準備があるから、帰宅時間を知りたくて、何時に帰ってくる?ってメールするの。

でも…返信がないままで。
普通に家に帰ってくるんだけど…
なんでだろう。嫌われてる(笑)?」

「うーん、どうだろう。
てか、そのくらい返信できるでしょ。
返信ないって、ひどくね?
俺なら返信するよ。
俺は返信マメだから…

だからさ
俺のものになりなって言ってんじゃん。
寂しい思いはさせないよ(笑)」

「あ!
すぐそういう方向に持ってく(笑)!」

「でも本当にそうだよ。
寂しい思いはさせない」

と急にトーンを変えて
真剣な声で言われたけど…

でも。
訳わからない彼女たちがいるんだから、結果、私に辛い思いをさせるわけで…

という自覚はないんだろうか?
と冷静に考えてしまう私がいて。

ユウくんのノリに、乗り切ることはありませんでした。

それでもユウくんとの毎日のメールは止まることはありません。
毎日、何十通とやり取りをする。

そのメールが楽しくて。
本心は…ユウくんに日々惹かれていく自分がいるのを、分かっています。

色々と話すようになってお互いの過去も知っただけに…ユウくんがどれだけ壮絶な人生を送ってきたかを知っている分、ただの軽い人じゃないのも、感じているから。

警戒しながらも、嫌いになれない。
警戒しながらも、突き放すことができない。

彼の真ん中は優しくて、傷付いた結果なんじゃないかって、感じもしているから。


何よりも、自分の直感が、
"良い人"って言ってる。


でも、不安だし、心配だから…
甘い言葉をかけられる度に
「それは本当?」とか…
「本気で言ってるの?」とか。
聞き流しながらも、何度も聞き返しました。

そうするとユウくんは、「本当だよ」と素直に答えてくれて、私は安心をして、また信じそうになります。

でも必ず
"信じちゃ、駄目だよ!"
と微かな声のような響き方で
自分の心が私に訴えてもきます。

親に嘘をつかれてきた幼心の傷が、人は簡単に信用するものではないと、伝えてくる感覚。

このトラウマは相当に厄介だ…

"俺のものになりな"
と言われる度に
色々な自分の感情に揺さぶられる心。

警戒心から拒否したい気持ちと
惹かれ過ぎて進みたくもなっていく心。

そして
ギリギリの理性が
私を一生懸命に止めようとしてくれる。

駄目…
進んだら絶対に駄目…

私には旦那さんがいるんだから…

結婚してまだ…2〜3年だよ
新婚って呼べる中で
ここで手を伸ばしたらアウトなんだよ…

やっと掴んだ再婚なんだから…
今度は幸せになるって決めたんだから…
旦那さんはいい人なんだから…

でも
ユウくんとのやり取りに
こんなにも幸せを感じちゃう…

私は毎日
ユウくんに翻弄されていきました。

進みたいけど、進められない。
話せば話すほど、深く仲良くなっていく。

少しずつ、"俺のものなりな"というやり取りも、最初の遊び的感覚じゃなくなっていくのも感じる。

ぐちゃぐちゃな私に
でもある時、ユウくんは言いました。


「めっちゃ真剣や。
真紘が一番、気持ちが満たされるんだよね」


気持ちが満たされる?

その言葉は
私の心を強く揺さぶりました。

それはきっと私も同じだから…
共鳴した、そんな感覚でした。


そして、それと同時に見えた、"可能性"。

今までの彼女さんたちとは、
何か、違う?

違う存在に、なれる?
遊ばれるのとは、違う?

ダイレクトに伝わってきた言葉のエネルギーが、信じ切れずにいた私の心を、動かし始めました。

つづく


ありがとうございました・..・。*

この小説は投稿後も、手直しをする可能性があります。初投稿が仕上がった状態とは、限りません。
書き上げるのに時間がかかる為、投稿後も編集する形にし、少しでも足を運ぶ楽しみを増やしたいと考えています。

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