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地図

地図には、網の目のように無数に線が
引かれている。

大抵、人は同じルートを
行ったり来たりしながら生きている。

道は踏みならされ歩きやすくなるので、
よりその道を使うことになり、結果、
同じルートの使用頻度は高くなる。

道幅は整備され、
移動はより効率的になり、
そこに自負が生まれ、
心地よいその道に固定される。

そこで、外から未経験の新しい何かが
飛び込んでくる。つまり、
自分の地図には線が引かれていない
新しいルートを示す地図が。

しかし、殆どは、それが新しい
ルートを示していることに気づかず、
無視する。

こう考える。

自分の地図と見比べて、線の太さを
比較し、太いか細いかだけでそれを
判断する。

変な場所に線が引かれているが、
それは細く頼りない線なので
重要ではないと。

そして、その細い線が、
なぜ、細い線であるのか、
また、それがどこにたどり着くのか、
問うことも、辿ることもない。

誰も。




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