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ゴミ捨て場

ゴミの量が多いと、
そこから欲しいものを見つけ出すのは、
至難の業となる。

それはどこに埋まっているか
分からないため、
大抵は分別システムに頼るようになる。

その分別システムが機能しているかは、
また別の話で、それが希望通りに
動いているかどうかは、結局、
誰にも分からないし、検証できない。

例えば、こういうことだ。

ゴミ捨て場に10個のダイヤモンドが
埋まっている。

システムはゴミを分別し、偶然、
一つだけを拾い上げる。残り9個の
ダイヤは埋まったままだ。

それを知らずに、システムに
依存した人々は、こう思う。

「システムは機能している。だって、
ダイヤを発掘できたんだから」

誰も、他に9個のダイヤを
取り逃がしていることに気づかない。
彼らの頭の中には、残りの9個は
存在しないのだ。

例えば、新しいシステムが開発され、
同じゴミの山から分別処理を
行った結果、残りの9個を発掘できた
としたら、その時点で人々は
ようやく気づく。

「前のシステム、全然、ダメじゃん。
どうりでゴミばっかりだと思った」

古いシステムから吐き出された
" 優良 " タグのついたゴミを一生懸命
鞄に詰め込んでいたことも忘れて。





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