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なぜ、ごはんを作り続けているのか。

【はじめに】この話は、2017年に別のサービスで書いていたものをnoteに移動したものです。

随分前から、外食したときだけでなく、自分でごはんを作ったときも写真をBlogやらInstagramはじめとしたSNSにUPしているせいか、おかげでイベントなどで「ごはんおいしそうですよねー」「上手ですねー」「良くつくりますよねー」と言われることが多くなった。

独身時には「一人暮らしだとめんどくさくありませんか?」ということも言われたこともあった。

なんか料理上手みたいに見られるのだが、実のところ、そんなにうまいわけではない。試行錯誤しつつコツコツ続けた結果とも言える。

前から書こうと思ってたけど、いい機会なので作り続けてきた理由を書いてみようと思う。

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大きなきっかけは短大時代の寮での生活だった。

小さいころは母や祖母がごはん作る様子を見て、簡単なものから見様見真似で作ってはいたが、心の底から「自分で作らねば」と思ったのは短大生の時。

山の中の田舎から京都の女子短大へ進学し、さああこがれの一人暮らし…なんてできるはずもなく、「お金ないから寮に入れ」の親の一言により学寮に入寮(余談だが、寮費は年間16万(当時。水道、電気、ガス代含む))。

寮内での自炊は禁止のため、必然的に寮生の食事は

①寮食堂
②コンビニかスーパーで惣菜やインスタント食品を買って食べる
③外食

の3つとなる。

当時の自分のお財布事情から、毎食外食というのは非常に財布に優しくないので、必然的に食事先リストから除外。ということで、①寮食堂、②スーパー・コンビニでの購入となるが、これで頭を悩ませることになる。

まず、寮食堂。

揚げ物、こってり系、炭水化物系のものが多すぎ!毎日ともなると食べたいという気が全くでてこないorz

一応、おひたしや豆腐、納豆などのヘルシーサイドメニューもあるにはあったが、それをチョイスするとメインメニューの寮定食よりも高くついてしまうことに。

寮食堂のプリペイドカードを購入(注:食費は寮費とは別)して、それで1か月持たせることを目標に食べていた私にとっては、予算オーバーしてでもヘルシーさをとるか、それともバランスが偏った食事をしてでも予算内で納めるようにするか、本気で頭を悩ませた。

そして、コンビニ・スーパーでの購入。

スーパーは寮から遠くにあったため、結果として近くにあるコンビニの方に足を運ぶことになるが、当時のコンビニは2017年現在のように豊富ではなく、居酒屋定番である餃子や焼き鳥、からあげなどのやはりこってり系メニューがほとんど。そして、ぶっちゃけ寮食堂のごはんよりおいしくない…(汗)。

とはいえずっとカップ麺ばっかり食べるのも飽きるし、栄養的にどうよ、と思ってしまう。

そんな環境の中、寮の先輩に教えてもらったのが「鍋でごはんを炊く」技術だった。

寮内にはレンジとトースター、給湯器、そしてガスコンロだけは各階にあるわけだが、このガスコンロでごはんを大量に炊き、共同使用の冷凍庫に保存しておく、というもの。

先ほども書いたように自炊は不可だが、これだけは黙認していただけていたのか、教えてもらった先輩はじめ、寮生の何人かが作っていたので、私もやろう!と思い立ち、即、近所の雑貨店で安い片手鍋を購入。実家からお米を送ってもらっては講義の間にごはんを炊いてストックして、食欲がない時、あるいは月末の懐具合が苦しい時には、レンチンしてタナカのふりかけと永谷園のあさげと一緒に食べて一日を凌いでいた。

これには随分と助けられはしたが、あくまで苦肉の策。心も栄養も満たされたわけでもない。「ちゃんと自分で作らないと、本当に安くて食べたい食事にありつけない。将来、稼いで一人暮らししたら自分でごはんを作りたい」と、この時に決意した。

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念願の一人暮らしになったのはいいのだが。

それから卒業して、一旦実家に戻り、その後紆余曲折あった後、松山で就職するために一人暮らしを始めることになり「さあ、これでがっつりごはん作るぜ!」と思ったらそこでも壁はあるもの。

松山で就職してからは帰りが22時23時になることはザラ。日を超えて帰ることもあり、とてもじゃないけど帰ってからごはんを作る気力なんてほとんど残ってはいない状況。

正直買って帰ったほうが楽なんだろうか…と頭の中を過ったが、冷静になってみて、閉店間近のスーパーの売れ残りのしなしな天ぷらや惣菜なんて半額になっていてもカロリーや塩分、糖分を考えると躊躇する。短大生の頃よりは総菜レパートリーが増えたとはいえ、コンビニで買う、というのもさすがに毎日ともなると割高になる。

なにより、松山に出てきた当初は、いただいていた給料から家賃と水道・電気・ガス代・携帯(当時はガラケー)代・貯金を分け、残った月1~2万円で生活していた。下着が破れても買うのを躊躇して自分で繕っていた状態ではあったけど、貯金を削るだなんてことは極力したくはなかった。あと、実家で作っている野菜や果物をもらっていたので、それをムダにしたくない気持ちもあった。

というわけで、「たとえグダグダ状態でも、ほったらかしててもごはんを作ることができるものにしよう」と方向転換。めんどくさいときは包丁すら使わない、インスタントや缶詰、乾物、冷凍庫もフル活用。とにかく1品は作る、という考えのもと、いろんなレシピ本やレシピサイトをみながら、失敗しつつ試行錯誤を重ね、ほぼ毎日、作ることができるようになった。

時期によっては夜が開けてから帰ったり、あるいは会社に泊まり込み状態になったりしたこともあったため、作ることがほとんどできない時期もあったけど、それでも自分で復活のタイミングを作って作ることだけはやめないようにしていた。

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作ることをやめなかった理由。

作ることを放棄してもいいのではないか、と思ったことも何度かあったけど、それでもやめなかったのは、『自分が食べたものが、その先の自分を作ることに気づいたから』だと思う。

自分の料理の腕が壊滅的であれば、作ること自体放棄して別の道を考えていたかもしれない。しかし、作る腕がそこそこあるなら、ちょっとでも磨いておいた方が、自分の体に合わせて食べやすい。なにより、自分で材料を選ぶので、自分が口の中に何を入れているのかが判別できる。

また、『医食同源』(普段の食事で病気を予防・治療をするという考え方)言葉もある。勤めていたとき、上司自ら『体調管理も仕事のうち』と言っていたので、それこそ食事をちゃんとすることがひいては仕事にも貢献してることになる。体調管理云々のことはフリーランスの今になって身にしみて大切だと感じている。

あとは、ごはんを作ることで、仕事の息抜きと、頭の中の整理ができていた自分に気づいていたというのもある。

仕事柄、どうしても頭が煮詰まることがあるが、そういうときに切り替えて、ごはんを作っているとふっとアイディアが出たりする。勤めていた時は、一種のストレス解消にもなっていたのでずいぶん助けられた。

別に誰かに褒められたいからとかいうわけじゃない。

作るものが難しいものは別として、日常は安く美味しく食べたいと思って作っているだけなので、手抜き料理で大したものを作ってるわけじゃない。

それでも曲がりなりにもレパートリーが増え、「今日はこれでも作るかな」とぼんやり考えながらも、ごはんが作れるようになったのは多分『続ける力』のおかげだと思ってる。

あと夫をつかんだのもこのおかげかと…(^^;

↑なぜか評判が良かった「鶏胸チャーシュー」。

このあたりから、ちょいちょい夫からのアプローチ(?)が増して来た気がしてる(笑)

【掲載している写真について】
私が今まで撮りためてきたものから、自分が好きな料理をUPしてます。
メイン画像から順に中毒性カレー、鯛のあら汁、味噌汁、風邪を撃退☆めっちゃ簡単スタミナクッパ。




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