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帯同生活【@上海】振り返り③:生活しはじめの頃

 前回の続き

マンション

 上海で暮らしているマンションはいわゆるサービス・アパートメントというやつで、毎日ゴミの回収、週2回清掃とベッドメイキング、タオル交換がある。赴任者の家賃は会社持ちだし、怖くて家賃は確認していない。日本に帰って同じ条件の家に住むことは絶対にできない。
 ゴミは分別の必要がないのだけれど、日本に戻ったときには分別が必要なので、環境に甘えないように私は一応分類してまとめておくことにしている。意味があるのかどうかはわからないけど。

 住民の殆どは日本人で、マンション内で聞こえてくる会話はほとんどが日本語。フロントにも何人か日本語がしゃべれる人がいる。子供がいれば他の入居者と接する機会は結構ありそうだけど、普通に生活している限りでは関わりはない。たまにイベントみたいなのがあるけど、参加していない。
 私の知る限り、赴任者の多くは男性で、帯同家族は妻・子供というパターンがほとんど。女性と子供のコミュニティに入っていくのは私には正直ハードルが高い。

ゼロコロナ政策下

 上海で生活し始めた約2年前は外出が少々面倒だった。当時中国はゼロコロナ政策の真っ最中で、どこの建物に入るのにも、72時間以内のPCR検査の陰性証明を提示しなければならなかった。

 PCR検査自体は、街のあちこちに設置されたブースで気軽に受けることができた。スマホで自分のQRコードを提示し、その後に検査を受ける。結果は5,6時間で反映される。すべてスマホで完結する仕組みだった。
 なので2,3日に一度検査を受ければ、陰性であれば問題はないのだが、うっかり忘れてしまうと、【証明切れ】→【検査】→【結果待ち】→【結果反映】の手順を踏まないと行けないのでマンションに数時間帰れなくなるリスクがあった。

 また、ショッピングモールに行く際には、ショッピングモールの入口でスマホのカメラでQRコードを読み込んで証明を提示し、さらに個々の店舗でもそれぞれのQRコードを読み込んで提示という方法で、いちいち時間がかかる。たぶん、感染者が出たときの追跡を目的をしたものだと思うけど、結構面倒だった。

 しばらくして12月くらいにこの仕組みはなくなったので、実質2ヶ月程度の経験ではあったが、この間に私はたぶん30回以上PCR検査を受けている。まあ、時間だけはあったので、別に困ったかと言われると困ったわけではないけど。

買い物

 専業主夫をやるということで、おそらくいちばんこれが大変だろうと思っていた買い物だったが、実際にはほぼすべてのものがネットで手に入った。食料品は盒马というスーパーの宅配、その他の日用品や飲料は淘宝で買うことができる。
 盒马は早ければ30分程度で届くし、時間も指定することができる。野菜も肉や魚も種類が豊富で品質もいい。
 淘宝も基本的に大手の公式ページから商品を購入すれば安心だし、たいていは2,3日で届くので使いやすい。
 正直、引きこもりにはかなり快適な環境だった。

 通販については、京东が淘宝と並んで大手で、こっちのほうが配達が早いことが多いらしいのだが、淘宝がAlipayで支払いができるのに対して、WeChatPayしか対応していないのであまり使わなかった。
 これは、私は妻から生活費をAlipayでもらっていたからで、AlipayからWeChatPayへの送金は一度銀行口座を通す方法しかわからず面倒だったからだ。
(実店舗だとたいてい両方使えるけど、たまに小さなお店だとWeChatPayしか使えないことがあるので、ちょっと注意が必要)

 ちなみに淘宝はたまに詐欺みたいな店舗もあったので、評価を見てから買うことをおすすめする。私が遭遇した事例では、皿を買って発送連絡があったのに荷物が届かず、運送会社から連絡が来て詐欺だと判明したのがあった。発送手続きだけして、商品を送らないというものらしい。
 あと、ロゴを不正に利用した商品も多い。商品の検索一覧には"小米"とか“Sony”のロゴと一緒に写った商品写真が掲載されているのに、商品ページに入るとロゴが写っていないという場合もある。

地下鉄の荷物検査

 中国の地下鉄は乗る前に荷物検査がある。改札口の前に荷物用のX線の検査装置があってそこに手荷物を通して、人間は金属探知ゲートを通る。それぞれに係員が一人ずつ以上ついている。
 これ自体は以前北京に行ったときに経験していたので知ってはいたが、少々威圧感を感じないわけではなかった(慣れたら「はいはい」って感じだけど)。
 基本的に引っかかる人もいないし、ハンドバッグ程度であれば係の人にカバンの中を見せればX線検査装置を通す必要もない。一応やっています感があるが、日本の電車内で刃物を持った不審者が……というニュースを見ると、不要とも言えないのかなと思う。
 ちなみに私は上海地下鉄を中心に100回以上この検査を受けているが、引っかかったのは1度だけだ。その時はペットボトルの水を検査されたけど、もちろんただの水だったのですぐに通行を許可された。

まとめ

 そんなわけで上海での生活の始まりは多少面倒なことはあっても快適だった。必要以上に快適だったというべきかもしれない。引きこもり体質の私に、ほぼ外出しなくてもいい環境は危険なのだ……。

 次回から2,3日に1度更新します。

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