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【ライブ日記#50】 『リア王』

提案前。
得意先の待合室で先輩と座っていると「木曜日の夜って暇?」と聞かれた。私はてっきり新しい仕事の話だと思ったので「いやあ、ちょっと金曜日に提案があってまだ読めないですね・・」と、はいでもいいえでもない返答をした。すると先輩がこの舞台のチケットあるんだけどいかない?と『リア王』のページを見せてくれた。あ、空けられそうです!と返事をして木曜日、東京芸術劇場へ向かう。

シェイクスピアの舞台は渋谷のパルコでやっていた『ハムレット』以来。今回も4大悲劇の一つとして有名らしい。ホールの前で先輩と合流し、今回のチケットを取ってくれた協力会社の方と3人で中へ。チケットを見てびっくり。めちゃめちゃ前。急いであらすじを見ていた人がこんな近くで見ていいんだろうかと思うほどに前。ほぼ舞台である。

内容は昔の脚本であるにもかかわらず、服装や演出が現代的だったことに驚いた。手紙をスクリーンに写したり、壁を蹴って壊したり。特に血の演出にはとてもこだわっているように見えた。前のハムレットの舞台は、血を「赤い玉」に喩えて表現していた。ただ今回は本物のような血が流れていく。この演出の違いだけで、人と人との軋轢や憎悪が言葉で語らずとも伝わってくる。特に今回の舞台はどこを写真で切り取っても画になるなと思った。死んだ人とまだ生きている人が分かれて立っているシーンや、争いで汚れた服のまま一列に並んで歩いてくるシーンなど、どこか異質でそれでいて綺麗だった。

終わった後、近くのイタリアンで好きな舞台やドラマの話をした。
最後サッカーが好きな先輩方が顔を見てなんて選手か当てるゲームを始めて笑った。こういうことでいつまでも笑っていたい。


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