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【Lose My Breath】Stray Kidsとチャーリープース、そして戦争の話


「Feat. Charlie Puth」
この文字を見た時に、頭をよぎらないわけではなかった。彼がどういう発言をしてきたのかを少しだけ知っていたから。

だけど私は浮かれていた。
Stray Kidsの正規ファン(STAY)になって初めてのカムバックだった。
今まではよく分からなかった投票のやり方も、丁寧に教えてくれる方がいて、私もやっと力になれる!この曲を応援するぞ!と息巻いていた。
ティーザーで曲の一部を聴き、メンバーたちの新しい姿を楽しみに待っていた。

MVに先駆けて、公開されたイントロ。

私の大好きなチャンビンさんは、「僕とは違って、遊ぶように音楽を作る方なんです」と、チャーリープースさんのことを心底尊敬しているみたいだった。

チャンビンさんはとても素朴で真っ直ぐな人だ。
メイクが、衣装が、髪型が気に入ったから。
そういう小さな幸せを共有してくれる彼のインスタグラムの使い方が、可愛らしくて好きだ。
だけど今回は、少し苦しかった。

別に今に始まったことではなく、最初に書いた通り、チャーリープースさんとフィーチャリングするという情報が出た時点で懸念すべきことではあったのだ。

苦しかったのは、大好きなチャンビンさんが攻撃され傷つけられてしまうのではないかという恐れと、彼の心の中の正義を信じるしかないという切なさからだった。


3RACHAがチャーリープースさんと会っていたことが確実なのは、2023年の9月(チャンビンさんのインスタグラム投稿から)。
そしてハマスがイスラエルを攻撃し、此度のイスラエル・ガザ戦争が勃発したのはその翌月だ。
フィーチャリング曲はそれ以前から作業されていた可能性が高いし、だから、'Lose My Breath' という素敵な曲がこの戦争とは関係ないと考えることもできる。

それでも、未だに戦争が続いているこのタイミングで、シオニストと呼ばれる彼とのツーショットを投稿するのは、やや危険性を孕んでいることは明らかだ。

チャーリープースさんはイスラエルを支持している。ガザにおいて無差別な虐殺を行っているイスラエルを。

だからってチャーリープースさんのことを糾弾すればいいわけでもない。
どちらの肩を持っているかはともかく、きちんと政治的な意見を持ちそれを表明しているという点では、この戦争に無関心でいる私のような人間よりはずっと人間らしい行動をとっていると、言えるかもしれないから。

無関心、と書いたが、私も少しだけ意見をもって行動してきたつもりではある。
戦争が起きた後、自分なりに勉強をして、この戦争に限ってはイスラエルではなくガザの人たちの側に立つべきだと考えてからは、イスラエルへ停戦を求めるデモにも数回、参加した。
特に、アメリカ大使館前で行われたデモが印象に残っている。さまざまな年齢、人種、国籍の人々、子どもを抱いた母親。
私のような日本人の大学生は少なかったけれど、それでも、ガザの子どもの絵を描いて持ってきていた高校生と出会って話すことができた。

ボイコットも自分で少しずつ調べながら気をつけたりしているけれど、完璧じゃないことは自分が一番よく分かっている。
普段の日常生活では戦争のことなど忘れていることの方が多いし、寄付と言っても大きな金額なんか到底出せないし、勉強不足のせいで知らず知らずのうちに虐殺に加担していないか、怖く感じることもある。


だからチャンビンさんも知らなかっただけ、とにかくそう思いたい。
すごい音楽を作るお兄さんがいて、一緒に音楽を作ってみたらやっぱりすごいなと思って、ありがとうの気持ちで写真を撮っただけ。

チャンビンさんには傷ついてほしくない。
これはファンとしてどうしても譲れないことだ、守りたいことだ。

今回、ガザのことを考えてこの楽曲をボイコットするのか、それともスキズたちの新しい試みや頑張りを応援するのか。どちらでも、自分が正しいと信じる選択を取るだけだと思う。

でも、人間として最低限の生活すら与えられず飢餓や死の恐怖に喘ぐガザの人々と、2000万人ほどのフォロワーや莫大な影響力を持つアメリカの人気歌手とを比べれば、どちらが社会的に強いのか、答えは誰の目にも明らかだ。

それじゃあ私はどうすればいいんだろう。

投票は今まで通り続ける。単純にスキズに向けられる評価であるからだ。ラップも入っているというリミックスバージョンには期待を寄せている。
ただ、MVや音源の再生にはこれまでより慎重になると思う。チャーリープースさんの利益にもなるからだ。
その代わり、スキズには、'Lose My Breath' と同じくらい素晴らしい楽曲が山ほどあるので、そちらの再生回数を伸ばしたい。(特に、チャンビンさんの 'Streetlight' のMV1000万回再生に貢献したい!!)

今後も変わらず、音源やMVを回すと決めた方々に対しては、協力できないことに少し申し訳ない気持ちを抱きつつ、応援したいと思う。
なかなか正解を見つけることは難しいけれど、これが私の出した結論。


確かなことなんてない。
大袈裟に騒ぎすぎだよと、
あなた一人の行動じゃ何の意味もないよと、
誰かは言うかもしれない。

だけど私たちは皆、同じ地球の上で生きている。私も、私の推しもあなたの推しも、ガザの子どもたちも、同じ今を生きている。

どう生きるのかを選ぶのは重要なことだ。
主体性を持って生きようと教えてくれたのは
他でもなくチャンビンさんだから。





こちら参考にどうぞ。

パレスチナ問題がわかる ハマスとイスラエル 対立のわけ - クローズアップ現代 取材ノート - NHK みんなでプラス