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某IT経営者

わたしというのは本当に極端な人間だ。

男は絶対金持ちがいい!という見解に辿り着いたら最後。
何がなんでも金持ちしかダメになってしまう。

※めっちゃ嫌な女やん…。

今回はそんなわたしがアプリで出会ったとあるIT経営者の話。

(↓金のある男を探しに行こう!となった経緯はこちらから)

出会い

ハイスペック男性が集うことで知られているマッチングアプリで、わたしと彼は出会った。

ここではKと呼ぶことにしよう。

Kはわたしに声をかけてきた男性会員の中でも群を抜いて金のある男だった。

「エゴサしてくださいね」と言わんばかりに、自分の写真と本名がガチガチに載っている取材記事のURLをわたしに送ってくる。

自信家なんだろうなあ…。

名前を検索すると、ビジネスの記事が出てくる出てくる。

ふーん、おもしれー男。

Kのわたしへの食いつきもなかなか良かったので、一度会ってみることにした。

どんな人か

待ち合わせ場所に行くと、黒いセットアップに身を包んだポケモンのゼニガメのような男がいた。

Kはいつもうわべだけの笑顔を浮かべていて、女の子をいじるという方法でしかアプローチの仕方が分からないという男だった。

本心を隠したいという防衛が働いている故の態度だろうということは今なら想像できる。

推測するに、Kは決してイケメンではないし根明でもないので、昔っからモテてきたタイプではない。

若くしてとんでもない財力を手にしたKには、金目当ての女が大量に寄ってくるのだろう。
純粋に恋愛をすることを諦め、女不信になっている経営者
という感じだった。

このような傾向は若くして成功を手に入れた男にはありがちなことだと感じている。

過去の女たちのせいで新規女であるわたしへのイメージも性悪説的に悪くなっているとしたら、正直厄介な話だ。

わたしはそこら辺の女とはあまり被らない性格と経歴をしている方で、それに興味を持ってくれる男が一定数いることを知っている。

Kが好きそうなエピソードを話し、Kが好きそうな金の価値が分かっていないテンション高めのほわほわした女の子を演じると、Kはすぐにわたしのことを気に入ってくれた。

Kはわたしの意思なんかお構いなしに次々とデートの予定を入れる方で、わたしはそういう自信に裏付けられた推進力のある男にめっぽう弱い。

Kはわたしを5つ星ホテルのディナーに連れて行ってくれたり、高級スポーツカーで迎えにきて服をプレゼントしてくれたりした。

虚無旅行

Kに誘われて箱根旅行に出かけた時、わたしたちは知り合ってまだ数週間しか経っていなかった。

露天風呂付きの素敵なお部屋に案内されたわたしたちは、テレビで夕方のワイドショーを観ながら夜ご飯の時間を待っていた。

(なんか…気まずいなあ…)

夜ご飯は創作フレンチのコース料理だった。

Kは痛風だからとビールをちびちびと飲んでいて、酒さえあれば楽しい雰囲気になるはずと期待していたわたしは絶望を感じ始めていた。

スマホをいじりながら「○○、結婚したんだって!」と速報で飛び込んできた芸能人のニュースをわたしに伝えるK。
わたしたちが本当に話す話題がないことを再認識する瞬間だった。

当たり前のように別々のベッドで寝たわたしたちは、気まずい雰囲気のまま東京に戻った。

性癖

冷静に振り返ると、Kはわたしのことをすぐに“性の対象”として位置付けていたのだと思う。

カラオケで「小さな恋のうた」を一緒に歌った時も、アウトレットでわたしに似合う服を選んでくれた時も、いつだってKは距離感がバグっていた。

わたしは「金持ちなら仕方ない」と、心も体も許してしまっていた。

Kは旅行の夜にわたしにセーラー服とメイド服のコスプレを着るように指示してきたり、いやらしいポーズをとらせて写真を撮りたいと言ってきたりした。

Kはそれを眺めるだけで、わたしとKが体の関係を持つことは最後まで無かった。

終焉

Kの要求は次第にエスカレートしていき(自主規制)、こんな扱いを受けることに時間を費やすのは無駄だと悟ったわたしは、Kを切ることにした。

Kからも徐々に連絡が来なくなっていたので、わたしはKをブロックしてこの関係性に終止符を打った。

こんな男でもお別れを決めた時には悲しくて涙が止まらなかったし、その2週間後にはすでに新しい好きぴができていた。

自分の恋愛体質を改めて実感したwww

P.S. この記事を書くにあたって久しぶりにKのSNSを見てみると、相変わらず元気にビジネスのイベントにスピーカーとして出席しているようだった。

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