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大人になって歯列矯正をやり直した話・社会人編


私は小学校時代に歯列矯正をしましたが、知識と理解が不十分だったために正しい治療を最後まで受けることができず後戻りしてしまい、大人になってからやり直しました。

ここでは、歯列矯正やり直しの決意に至るまでとその後、現在について書いていこうと思います。


違和感を覚えたとき

「矯正したのに歯並び悪くなってない…?」

最初に違和感を覚えたのは高校に上がった辺りだったと思います。
はっきりとは覚えていませんが、何となくそのくらいだったはず。

治療前は前に突き出ていなかった上の前歯は斜めに曲がっており、下の歯に至っては歯と歯が重なり合いガチャボコに、それも治療前より悪化していました。

「矯正してもしばらくすると歯って元に戻るんだ…!治療した意味なくない…!?」

モヤモヤしつつ月日は流れ、受験を終えて大学へ進学。

だんだん笑えなくなっていった

大学に入ってから接客のバイトを始め、だんだん笑顔に自信が持てなくなっていきました。

笑顔を見せるということはすなわち、歯を見せること。

「お客さんにこのガチャボコな歯を見せたくない…」

上手く笑えなくなったことで注意を受けることも多くなり、自分に自信が持てなくなっていきました。

就職後もそれは変わらず、笑顔が少ないことを直属の上司だった人に指摘され「歯並びが悪いことを気にしている」と打ち明けましたが「なーんだそんなこと!全然気にならないよ!自信持って!」とまともに取り合ってもらえませんでした。

そりゃあ誰も私の口~歯なんて誰も見てないし気にしてないのは知ってるけど…とモヤモヤしました。
上司だった方も全く悪気はないのはわかるんですけどね。

悶々としたまま数年が経ち、結婚することになり退社。

挙式のときも、歯、特に下の歯が見えないように工夫して笑いました。

出来上がってきたアルバムの写真も、引きで写っているものが多かったためさほど口元に注意はいかないはず…

花嫁なのに何やってるんでしょうね。

歯並びがよかったら、そんな心配しなくても気にして表情を作らなくてもよかったのにな…と「歯並びが悪いことが気がかりだとこんなにも重い気持ちになってしまうんだ」というどんよりした思いが頭の片隅に常にありました。

歯列矯正の再開


挙式から1年ほどたったある日、実母から歯列矯正専門クリニックを紹介されました。
自宅から車で25分ほど、完全予約制と好条件だったため、とりあえず話だけでもしてみようと初診予約をしました。

歯列矯正といえば避けて通れないのが、非常に高額な費用の話。

個人差はありますが、大人であればだいたい60~90万円ほどでしょうか。状態によっては100万を越える人もいます。基本料金(この言い方が適切かわかりませんが)だけでこの価格ですよ。
私の場合は税込86万円くらいでした。もちろん初診料、その他検査費用、一般歯科での受診や手術費用などは別で。

歯並びが悪いこと自体は病気ではないため、保険適用外です。子供であれば、親に扶養されているため医療控除を受けられますが、大人はそうではないので全額自己負担です。

ありがたいことに母が86万もの矯正治療費を全額出してくれました。(念のため補足しておきますがその他の費用はすべて自分で出していますよ)
推測ですが、私が子供時代に一度矯正を失敗していること、そしてそのまま嫁がせたことが気がかりだったのかもしれません。一生かけて恩返ししていくことをひそかに決意したのは言うまでもありません。

4度の抜歯

初診~諸々の検査の結果、私は顎が小さいために抜歯の必要があることを告げられました。
大人の歯列矯正において抜歯は珍しくありません。

私だけではないそうですが、現代人は昔の日本人に比べて顎が小さい人が多く、歯並びが悪くなりやすい人が多いそうです。
具体的には、顎が小さいために永久歯が全て歯茎に収まりきらずに歯と歯が重なり、出っ張ったり引っ込んだりしてしまうということ。
昔に比べ、現代は柔らかい食べ物が多いことが一因だそうですね。

逆に顎が大きいと、歯と歯の間に隙間ができるいわゆるすきっぱになるそうです。こういう人は少ないかな、たぶん。

私の場合は上下それぞれ2本ずつ、計4本の抜歯となりました。

抜歯をすることで歯と歯の間に隙間を作り、ワイヤー矯正で歯を少しずつ動かして隙間を埋めていくのです。

先生に最寄りの一般歯科への紹介状を書いていただき抜歯の予約をしました。

矯正のための抜歯は自由診療であり医療行為ではないため、保険適用外です。1回あたり5000円弱くらい。これが4回。なかなかに痛い出費でしたね。
体への負担があるので一週間に一回のみ行われ、四週間かけて抜歯完了。
晴れて(と言っていいのだろうか)ワイヤー治療開始となりました。

数々の検査などを経て、いよいよワイヤー装着


初診~ワイヤー装着まで6か月ほど経過していました。
そこに至るまでには数々の検査と診察が必要になります。
その人に適した矯正方法の選定、虫歯のなりやすさを検査する唾液検査(量と成分)、歯の生え方やかみ合わせなどの確認のためのレントゲン撮影など、かなりあります。

私の場合は下の歯が特にガチャボコしていたため、まずは上の歯だけ先に装着しました。
それから数か月おいて下の歯にも装着しました。

はい、やってきましたよ例の痛みが。

懐かしいけど心地よくはないあの痛み再来です。
装着から数時間ほど経ったころでしょうか、ジンジンしてきました。その日の夕飯はほとんど食べられませんでしたね。諦めておかゆにしました。

痛みが和らぐまで数週間ほどかかり、それまでは主食、おかずともに流動食だけでした。
なるべく噛まずに、尚且つ高カロリーなものを選ぶようにしていましたね。
主食はおかゆ、たんぱく質は生卵か温泉卵、野菜は青汁、おやつにアイスクリームやプリンといったように。

痛みが引いてからも毎月の定期健診でワイヤーを締めなおす(歯の動き方を先生が見て、それによって次の動かす方向を決める)ので、そのたびに再び数日ほどの間は痛みとの戦いでした。慣れちゃえば割と平気なんですけどね、そうなるまでがまあまあ長い。

一定周期を置いて常に痛い時期があるため、外食をあまりしなくなりました。普段の食材の買い出しでも余計なものを買わなくなり、

「治療費が高い代わりといってはなんだけど、日常生活では節約できてるかも。痛いのは嫌だけど、この状況は悪くないのでは…?」

このように、痛みがある中でも少しだけ前向きに考えることができるようになっていました。外食しなければ&好きだけれど今は歯が痛くて食べられないものを買わなければその分出費も減りますからね。

2年ほどかけてワイヤー治療終了、保定期間へ。

個人差はありますが、歯をきれいに並べ終えるまでだいたい2~3年弱ほど。
私も2年半くらいだったと思います、もはや体の一部のように思っていたワイヤー上下を外す時がやってきました。

ここでようやく第一段階終了、ここからは歯の後戻りを防ぐ「保定期間」のスタートです。

幼少期編でも少し触れましたが、人間の歯は元あった場所を覚えており、矯正が外れると元あった場所に戻ろうとします。

それを防ぐのがリテーナーという専用器具です。

人によって違うと思いますが、私の場合は上の歯用は取り外し可能なもの(市販の入れ歯洗浄剤で一日一回洗浄します)、下の歯用は取り外しできない細い針金を歯の内側に接着剤で貼り付けています。

これまで一か月に一回だった定期検診が今後は3か月に一回になりました。これで約2年通院しました。現在は任意で4か月に一回通院しています。通院をやめるタイミングを考えているところです。もういいかな、まだかな…と。

終わりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ここに書いたことはすべて私個人の体験談であり、歯列矯正のほんの一例に過ぎません。100人いれば100通りの状況、症例、治療法があります。みんな違います。

今後も歯を大切にしていきたいと思います。
それでは!

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