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《言葉を考える》どの呼称をかけますか?

 「緋海書房様~、緋海書房ヤバ猫様~」
このコショウは、先日受診した整形外科で添えられた言葉。

 「緋海書房さ~ん」
このコショウは、今日行った総合病院で添えられた言葉。

 どちらも、人名などに添えて敬意を表す語である。
系列は違えど、どちらもたくさんの方が訪れる医療機関だ。
この人名に添える呼称こしょうの使用にあたっては、私自身も元の職場で議論した覚えがある。
「患者さんはお客じゃない。〇〇様なんて呼び方は変だ」
「いやいや、いつまでも診てやっているの姿勢ではいけない」
「どうする?」

 地元に根付いた医療機関と、でっかい大学病院などでは、その診療理念事態が違うのかもしれない。また、患者さん側の受け取り方も様々であるから、一概に軽い口当たりの「さん」呼称から、一段重い感じのする「様」呼称へ切り変えたところで、好みがある。それは味付けによく似ている。
 私の好みは、その時々によってどちらがいいとは言えない。
 知った先生がいきなり
「〇〇様、お加減はいかがですか?」
 なんて、しゃっちょこばって言い出したら、かなり数値が悪いのかと邪推してしまう。

 でも、これら二つの呼称(コショウ)は、甘く可愛い味付けにも使われる。
 たとえば、お子さんに対して言ったりするとき
『おまわり』を『おまわりさん』とつけるだけで優しい感じになるし、今、人里におりてきて甚大な被害をもたらしている『クマ』にも『クマさん』と付け足すだけで、殺処分しちゃうの可哀そうみたいな感じになっちゃう。 じつに便利な語句である。

 この呼称(コショウ)スパイスは、使う側、受け取る側の気持ち次第でほんのり甘さを感じる言葉にもなるし、ガツンと塩気のきつい言葉にもなる。

 今日はこちらをチョイスしようと瞬時に判断し、民衆を上手に調理していく人たちに満足させられていくのかな。


〇〇さん、〇〇くん、〇〇ちゃん。たくさんの呼称が飛んでいた

 帰り道、公園によって少し、腹ごしらえ。なにせ朝食抜きで諸検査に臨んだので、甘いもの欲していたのだ。ベンチに座って、クリームパンをパクリ。大目玉くらいそう💦
「お疲れさん、自分にご褒美」
 昼ご飯は何にしようかな。
「ただいま~」
「お疲れ様、時間かかったね」
 あれ? ここにも「さん」と「様」がいた。


サポートしてほしいニャ! 無職で色無し状態だニャ~ン😭