施設にいた話④
施設を飛び出した後、頼れる人や場所はありませんでした。ただ、施設に戻ると地獄だという思いだけで施設から遠くへ逃げ出しました。
中学生だったのでお金は数百円しかなく、スーパーで水とのど飴だけ購入しました。
すぐにいなくなったとバレる。
探されてしまう。
公園のトイレに引きこもったり、マンションの駐車場の角に隠れたり、場所を転々としてました。移動にも注意して、細道、山道を使っていました。
逃げてもいいことはないし、何も変わらない。
でも、死ぬのは怖い。
1日でも施設に戻る時間を減らしたい。
どう戻ったらいいのかわからない。
そんな気持ちでした。
昼に逃げ出し、夜になり、朝になり、また昼になりました。
町の中を逃げるのにも、隠れるのにも、限界がありました。
そこで私は地元のお城に行きました。
山の上にあったので高いところには探しに来ないだろうと思いました。
やっとお城について、人がいる中で施設の男性職員さんを見つけました。
すぐにトイレに隠れました。もういないか、探しに来るのかわからず、息をひそめてました。
そこから多分10分経ったぐらいに、トイレを出ました。
職員さんはおらず逃げれたと思いまいした。
もう山を下りたと思ったので私も降りようとしたとき、声が聞こえました。
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