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ことばの旅路

舞い舞う桃色の季節に
リュックに隠れ潜んでた
一枚の桜の花びらが
ぼくの新しいノートに
書かれた一文字目。

詩というあたたかい春風が
心の中に吹き始めたのを
鮮明に憶えている──。

初めてできた“ことばの友達”
広がる余白に胸が躍る日。



一人で始まった
真っ新なノートは
やがて友と綴り彩られる
「交換日記」になった。

詩という眩しい夏の陽射しが
焼き付くほどの記憶として
心の中に残っている──。

ぼくと君との“ことばの軌跡”
虹色の曲線に胸が高鳴る日々。



二人の交換日記は
何冊目になっただろう?

彩られる秋の風に運ばれ
過去へと眠りについた
想い出が増えていく

詩という紅葉の栞たちが
チラッと見える心の本棚に
恋しい思いが募っている──。

積もりゆく“ことばの記憶”
追想の時に胸が締まる日。



積み上がった交換日記
めくるページが纏っている
彩られた季節の懐かしい匂い

詩という美しい氷晶が
“またね”の手紙を残して
心の歴史に溶けていく──。

未来へ繋ぐ“ことばの旅路”
君との再会の春の約束を胸に、
新しく旅立つぼくの記念日。

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