見出し画像

南海トラフ地震  山岡耕春


南海トラフ地震。それは、日本列島の宿命ともいえる地震だ。マグニチュード8~9クラス。今後30年以内の発生確率が約70パーセント。日本の経済と社会の中枢を直撃する巨大地震は、ひとたび起これば未曽有の大災害をもたらす可能性がある。いつ来るのか。何が起きるのか。どう備えるのか。第一人者が語る。
Amazon~

阪神淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震、次の大きな地震としてずっと言われてる南海トラフ地震が注目されてる。

この本は8年前の出版ですが現在でも十分に参考になり、分かりやすく詳らかに書かれてます。

著者は山岡耕春さん、経歴も素晴らしく信頼して読ませて頂きました。


およそ100年~150年サイクルで繰り返される南海トラフ地震、次は21世紀前半にも発生すると予想されており確率は70%と高い。

日本は歴史的に大地震や大津波に何度も襲われきた歴史がある。

地震や津波の被害は人々の記憶に刻まれ、文書に残り、石碑に残しと教訓として伝承されてきてるがこの南海トラフに関してはスケールが全く違い過ぎると。

被害地域が遥かに広域になり、日本の大動脈が完全に断たれてしまうことを考えれば首都圏への影響も甚大だ。

東日本大震災、3・11とは別格の被害がでると予想されていて、懸念のひとつは助ける側の数が少なく、物資斡旋なども今までのようにはいかないと。


日本列島はどのように作られてるか?

災害が多いのか?

地球上では変動帯に属し、今まさに陸地を作っている場所、プレートが沈み込むことによって海底の堆積物が陸地に付加し、マグマ活動は陸地を内部から成長させている。
その為、日本列島では隆起する山地、沈降する平野、噴火で成長する火山など地形の変化の速度が大きい。
プレートの沈み込みによって海底溝やトラフ沿いで巨大地震が発生するだけでなく、内陸で活断型の地震が発生する。
また、日本列島は雨が多く、隆起する山地がどんどん侵食され、運ばれた土砂は沈降する平野に堆積していく。
雨水による浸食堆積作用は一方で土砂災害や、洪水災害をもたらしてる。
本文~

正しく恐れて対策をするためにも学べて良かった。

春、夏、秋、冬、美しく儚い四季を感じられ、風光明媚で素晴らしい自然に囲まれ、それらに育まれた奥深い文化と文明、この日本列島の自然の営みとして発生する地震、火山、風水害とは表裏一体で良いとこ取りはできない。

又、経済的にはこの災害列島であることがコストとなり、その分だけ地震災害の少ない外の国々に対して、ハンディを背負ってる日本が世界と張り合っていく為には、災害を克服した社会基盤を作っていかなければならない。

災害列島であることを受け入れた上で生活を営んでいく必要がある、身が引しまる思いがしました。

私が住んでる滋賀は三重県南部に近い。
木曾三川と呼ばれる木曽川、長良川、揖斐川がもたらす豊かな水と肥沃な土地を利用した農業が行われてきたがこの濃尾平野は水害にも悩まされてきた。
人々は「輪中」と呼ばれる堤防を作り、自分たちの土地を堤防で取り囲んで水害から守ってきた歴史がある。
南海トラフは上回り、リアス式海岸による甚大な津波の被害が想定されると述べておられる。

大きな地震はプレートが沈み込む境界で発生する地震であり、津波を発生させる。

東北地方の震災時は太平洋プレートが沈み込み、南海トラフはフイリピン海プレートが沈み込み揺れも、津波も大きく到達速度も速いと言われてます。

ゾッとするが来ることは覚悟しておき、可能な限りの備えをしておくことが必要だと感じる。
地球の住人であり地球の活動には逆らえないのが現実だ。

西日本は人口密度が高い大都市が多い。
被災しなかった地域からの援助もかなり弱くなることも考えれば身を守る行動が要求される。

建物の中にいた場合は上からの落下に備えて、机の下に入ったり、耐震性の低い建物は外に出る。
電車内では吊革などにしっかり掴まる、屋外では看板の落下に近くの建物の中に避難する・・

地震発生から津波到達までが速いので迷っている暇はない、高いとこへ避難とシミュレーションはいくつかは出来る。

いつか必ず来る。

備えと準備が必要であり、かつ自ら被災者にならずとも、他人の為に何が出来るのかを真正面から問われることになるだろう。
実際起きたときにはシミュレーション通りとは限らない、上回ってくる。

地震国という宿命を受け入れて共に生きてく。

考えさせられる内容の一冊でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?