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ヒッチハイクと、情けは人の為ならず

知り合いの女性と、小一時間お話する機会がありました。
行動力があり、人との関わりが大好きな、明るくてチャーミングな女性です。
名前をMさんと言います。
Mさんの人生を聞いているうちに、人を大切にすることについて考えされました。



Mさんは20歳のころ、何回かヒッチハイクをしていたそうです。
目的地を決めないで、近所にあった用賀ICの前に立ってヒッチハイクをするのです。
目的がはっきりあったわけでもないそうです。
「何か新しい体験や出会いを求めていたのかなあ?」と、懐かしそうにMさんは少し遠くを見つめて言いました。
Mさんの表情を見ていると、きっと自分が何ができるのか試したかったのだと思いました。

若い女の子が一人でヒッチハイクするのは心配じゃなかった?怖くなかった?
聞くと、Mさんは首をよこに振り、二つの出会いを教えてくれました。

一つ目
Mさんを車に拾ってくれたのは20代前半の男の子。
来週彼女と結婚を考えているそうで、プロポーズの言葉の練習を何度もMちゃん相手にしたそうです。
「あの時あんなにプロポーズされたから、今は誰もしてくれなくなっちゃった」
Mちゃんは、笑って教えてくれました。

2つ目
大晦日の日に思い立って、ヒッチハイクをしたMさん。
(なんで、大晦日?!
)アラフィフのおじさんが、東京から岐阜まで乗せてくれたそうです。
おじさんは結婚していたのですが、奥さんの不倫が原因で離婚。それ以来おじさんは女性不信になってしまったそうです。
そして数十年実家に年老いた母と2人暮らし。
おじさんは、そんな自分を変えようと手話サークルに通いました。そこで盲目の女性と出会い、心がときめきます。でも、女性を信じられなくない気持ちから、勇気を持って踏み出すことができないでいました。
車を運転しながら、おじさんは20くらいのMさんに、どうしたらいいか相談したそうです。


「なんて、答えてあげたの?」
わたしが聞くと、Mさんはとびっきりの笑顔で言いました。
「告白するしかない!って言い切りました」

Mさんは、おじさんの家に招かれて、おじさんとそのお母さんと年を越したそうです。

「お蕎麦美味しかったなあ」

そう話すMさんですが、その後おじさんとは連絡を交換することなく、おじさんがとうなったかは知らないそうです。

「でも…」
Mさんは、わたしに言いました。
「きっと、おじさんは告白して、一緒になってると思うんです」

わたしも、なぜだかそんな気がしました。
見たこともないおじさんが、盲目の女性と年老いたお母さんと仲良くお蕎麦を食べている姿が頭に浮かびました。
そして、ふんわりと幸せな気持ちになりました。


プロポーズをする男性、告白を迷うおじさん…ヒッチハイクをする女の子を乗せてくれた二人は、何かきっかけがほしかったのでしょう。
若さ、希望、不安全部ひっくるめて無謀な冒険をするMさんにしかできない何かに惹かれたたのだと思います。

何者でもなかったMさんも、知らない世界に飛び込んで、誰かのためにさなれたことは、貴重な体験だったのでしょう。

助ける人と助けられる人、それは一方通行ではないのだと思います。

誰かを助けることで、自信を持つことができます。
誰かのために役立っていると感じるのとで、生きやすくなることごあります。

人を助けながら、助けてもらう。
助けてもらいながら、相手を助ける。
そんな感謝の気持ちを持って、進んでいきたいです。
もつ、わたしは若くはありません。
でも、ヒッチハイクをするように、身ひとつで飛び込むような冒険をまだまだしたいです。
そんな冒険をしている人を邪険にしないで関わっていきたいです。

そんなことをつらつらと思いました。


Mさん、ありがとう。
また話しましょうね。


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