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今日の読書5/4

山白朝子さんの、「死者のための音楽」


山白朝子さんは、乙一さんの別名義です

大切な人、家族の喪失の短編集です。

 大切な人と平穏に生きたいのに、それが何かのせい(人間だったり怪異だったり)で、できない。
 登場人物が平穏に生きることが難しい環境であればはあるほど、切ない気持ちになります。
 相手への思いが一途であればあるほど、転落していく人物たちが美しく感じます。

 どのおはなしも素敵です。

「井戸を降りる」
高利貸しで村を牛耳る父親に逆らえない息子が、井戸にひっそりと住む女性と出会い…

「鳥とファフロッキーズ現象について」
男性と話すのが苦手で、父親と2人で睦まじくひっそりと生きる中学生の女の子。ある時、2人は巨大な黒い鳥が怪我しているのを見つけて、治療してあげます。鳥は2人を慕い、2人のために…

「黄金工場」
貧しい家庭に育った少年が、工場の裏で見つけたのは黄金のコガネムシでした。工場の排水に浸かった生き物は黄金になるのを知り、彼の母は…

「鬼物語」

説明が難しいですが満開の桜と鬼…とりあえず圧倒されました

どれも大切な人を想う気持ちに溢れた短編集でした。

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