まんじゅうこわい
旦那がまんじゅうをもらってきた。
なんと紅白。2つセット。
わーい。
「どうしたの、このまんじゅう」
「会社の創立記念日です」
「お、めでたい」
私は拍手をしてみたけれど、旦那は何だか浮かない顔。
「どうしたの?」
「このまんじゅう、苦手なんだよ…」
おや、甘いもの好きの旦那が珍しい。
さっそく、おやつに開けてみた。
「意外と大きいね」
「うん。食べてみ」
私、まんじゅう一口がぶり。
「ん…? んん…?」
もぐもぐごきゅんと飲み込んで一言。
「あんこ多いね!」
「そうなんだよ…」
紅白まんじゅうのくせに、なんと薄皮に近い。
まんじゅう全体の9割近くが、あんこのようだ。
「えぇ…これは、すごいなぁ…」
「うん。さすがに多すぎるよね…」
2人で半分ずつ、時間をかけて何とか食べ終えた。
とても食べ応えのある、まんじゅうだった。
「…あと1つ残ってるのか…」
「うん、紅白だからね…」
旦那がげんなりした顔で言う。
ああ、なんかもう。
まんじゅうこわい。
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