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NO.022 SNSを活用する

 パネルと展示品を並べて無事開館となります。会期中、ただ鍵の開け閉めしているのでは、武士の商法的になってしまいます…。
 
 そこで継続的な広報活動が必要になります。
 最近、あたりまえに活用されるのがSNS。
 
 一時期、展示品を紹介しすぎると、図録が売れなくなる…などとの議論もありましたが、最近は沈静化して、わりと展示品の紹介が多くなされていますね。

 たしかにチラシやパンフの情報だけでは、遠方から駆け付ける原動力としては弱いかもしれません。
 うちではFBを主に利用。パネルでは解説できないことや、学芸員の一押し、小さな気づきへと誘うコメントなど試行錯誤しながらの運営になっています。 
 最初に「コメントへの回答は致しません」と表示しているので、あまりコメントはありませんが、フォロワーさんは確実に増えてきています。
 
 今後もこの流れは変わらず、より多角化していきそうな気がします。

 以下、2023年11月に読んだものから。
【絵画】
 藤田三郎2023「唐古・鍵遺跡と清水風遺跡の絵画土器」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →大洪水対応の祭祀特化遺跡

【官衙】
 橋本雄一2023「最古の地方官衙」『季刊考古学・別冊』41 四国考古学の最前線
 →斉明天皇関係
 藤川智之2023「国府探求の現段階」『季刊考古学・別冊』41 四国考古学の最前線

【旧石器】
 栁田裕三2023「令和の九州旧石器研究動向ー西北九州を中心としてー」『令和5年度九州考古学会総会研究発表資料集』

【近代】
 笹田朋孝2023「遺跡からみた幕末の近代産業化と鉄」『季刊考古学』162

【研究法】
 寺前直人2023「縄文時代像と弥生時代像の相生と相克」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 河野一隆2023「威信財論の超克」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →直線的時間観念の普及が歴史編纂の開始と世界宗教の始まりにつながる

【古墳】
 新納泉 2005「3~5世紀の大和・出雲・吉備」『古代を考える吉備』
 玉川剛司2023「豊後国速見郡(大分県別府市・日出町・杵築市)の集落と古墳の動態」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会 
 →近隣の窯跡出土品とは異なる須恵器を副葬
 越智淳平2023「豊後地域における飛鳥時代(古墳時代終末期)の古墳と集落の動態」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →古国府遺跡群が重要
 岩橋由季2023「古賀市内の古墳築造動向からみた船原古墳」『船原古墳とかがやく馬具の精華』九州歴史資料館
 →市内唯一の前方後円墳
 小嶋篤 2023「玄界灘から眺めた船原古墳」『船原古墳とかがやく馬具の精華』九州歴史資料館
 →玄界灘を介した宗像と糸島の往来
 橋本達也2023「九州南部の前方後円墳」『季刊考古学』162
 →大隅海峡を境に古墳時代の境界あり
 辻田淳一郎2023「威信財と親族構造」『古墳時代の親族と地域社会』同成社
 →追葬者と初葬者の違いを要検討
 小嶋篤 2023「遠賀川流域と飛鳥時代」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →軍事行動と古墳築造の連動
 中島圭 2023「7世紀における朝倉~雨季は地域の集落と古墳の動態」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →朝倉広庭宮との関係

【装身具】
 土屋隆史2023「古墳時代後期における金属製玉、盛矢具、冠、飾履の編年」『後期古墳研究の現状と課題Ⅰー交差編年の手がかりー』中四国
 →金属製玉類の消長を確認

【寺院】
 岡本治代2023「飛鳥・奈良時代における在地寺院の造営」『季刊考古学・別冊』41 四国考古学の最前線
 渡邊誠 2023「国分二寺造営と以後の古代寺院」『季刊考古学・別冊』41 四国考古学の最前線

【塩】
 光永真一2005「吉備の塩生産」『古代を考える吉備』
 →自然発生的な製塩を想定
 岩崎郁実2023「生産地と消費地からみた製塩土器」『海浜集落からみた王権と地域』紀伊考古学研究会
 →コップ形と深椀形製塩土器が流通

【集落】
 秋山浩三2023「池上曽根遺跡再検討への提言」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →継続的に調査されていたことを知る
 下原幸裕2023「大宰府周辺における7世紀の集落について」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →大宰府成立前夜の様子は確かに知りたいところ。
 上田龍児・山元瞭平2023「7世紀の博多湾沿岸地域」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →水城・大野城築城の影響あり
 松見裕二2023「一支国を構成する弥生集落の現状と課題」『令和5年度九州考古学界総会研究発表資料集』
 →弥生終末期の鏡を副葬する甕棺
 弘中正芳2023「宇佐市小部遺跡における古墳時代前期豪族居館の大型建物と周辺景観の復元」『令和5年度九州考古学会総会研究発表資料集』
 西垣彰博2023「糟屋地域における7世紀の集落と古墳の動態」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →平野の最奥部まで半島遺物が展開…渡来人の計画的配置

【縄文】
 泉拓良・下垣仁志2010「縄文文化と日本文化」『縄文時代の考古学』1縄文文化の輪郭
 →700本の文献をもとにまとめる
 矢野健一2010「縄文文化の東と西」『縄文時代の考古学』1縄文文化の輪郭
 →東と西の問題は日本の成立に関する問題
 石川日出志2010「縄文時代の終末」『縄文時代の考古学』1縄文文化の輪郭
 →灌漑稲作の開始から弥生時代
 今村啓爾2010「縄文時代観の形成」『縄文時代の考古学』1縄文文化の輪郭
 →縄文時代は旧石器・中石器・新石器の3つにまたがる
 宮本一夫2010「縄文文化と東アジア」『縄文時代の考古学』1 縄文文化の輪郭
 →ユーラシア全体の水平的な社会区分が完成するのが東アジアの新石器時代の終焉

【須恵器】
 太田智 2023「宗像周辺の7世紀代の動態」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →須恵器に地域性
 久住猛雄・長直信2023「九州島における飛鳥時代の土器」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →しばらく参考にされることが続きそう
 菱田哲郎2023「須恵器生産と氏族」『古墳時代の親族と地域社会』同成社
 →酒造りと三輪神の関係が起点

【墨硯】
 常木晃 2023「文字の発達前史」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →長期間権力者による文字の管理
 柳田康雄2023「福岡県糸島市上鑵子遺跡出土弥生時代毛筆彩色絵画発見」『令和5年度九州考古学会総会研究発表資料集』
 →毛筆を使った痕跡を探す必要性

【製炭】
 上栫武 2023「古代・中世日本の炭窯と技術系譜」『季刊考古学』162
 →現代までの系譜の検討

【製鉄】
 村上恭通2023「古代の西部瀬戸内における製鉄導入とその背景」『季刊考古学』162
 →近江で開発し、マニュアル化
 松原信之2023「中世における南西諸島の鉄器とその生産」『季刊考古学』162
 →喜界島が先行
 真鍋成史2023「戦国時代の鉄をめぐる地域間関係」『季刊考古学』162

【青銅器】
 岡村秀典2023「「親魏倭王」冊封と「陳是作」鏡群の成立」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 常松幹雄2023「対馬の銅矛」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →結界でない壱岐には銅矛は必要ではなかった
 吉田広 2023「四国の銅矛と銅鐸」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →青銅製祭器のモザイク的変容
 徳富孔一2023「関行丸古墳第3屍床出土の方格T字鏡」『九州考古学』98
 →あいまいな位置づけだった資料を方格T字鏡と指摘
 後藤直 1996「霊岩出土鋳型の位置」『東アジアの考古学』2

【石器】
 森貴教・柚原雅樹・渡部芳久・梅崎恵司・川野良信2023「吉野ケ里遺跡出土層灰岩製石器の石材原産地推定と考古学的意義」『九州考古学』98
 →石材の入手には漁撈民の関与有
 仲辻慧大2023「紀淡海峡、紀伊水道における地域間交流」『海浜集落からみた王権と地域』紀伊考古学研究会
 →棒状石製品に関する考察

【鏃縄文】
 高瀬克範2010「続縄文文化と縄文文化」『縄文時代の考古学』1縄文文化の輪郭
 →弥生・古墳と続縄文の命名の経緯が異なる
 藤本強 1994「続縄文文化概論」『縄文文化の研究』6続縄文・南島文化(第2版)
 大沼忠春1994「道央地方の土器」『縄文文化の研究』6続縄文・南東文化(第2版)

【玉】
 新里貴之2023「南島先史時代の石製玉類出現の背景」『令和5年度九州考古学会総会研究発表資料集』
 →大珠の影響

【男女】
 吉村和昭2023「地下式横穴墓から地域社会を考える」『古墳時代の親族と地域社会』同成社

【中国】
 石川岳彦2023「漢代の遼東と日本列島」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →遼東の墳墓を概観
 李映福・村上恭通2023「漢代・蜀の鋳造鉄器とその生産」『季刊考古学』162
 →橋脚も鋳造
 エルデネ・村上恭通2023「北アジア遊牧社会における三翼鉄鏃の成立と展開」『季刊考古学』162
 →鏑矢もあり

【朝鮮】
 宮本一夫2023「弥生時代における楽浪・三韓と倭の国際関係」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →花盆形土器は長距離交易拠点遺跡で出土
 鄭宗鎬 2023「韓半島中部地域における鉄製工具組成とその背景」『季刊考古学』162
 →鋳造鉄斧の端を湾曲させるものあり

【鉄器】
 野島永 2023「弥生時代の鉄器と鉄器生産」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 村上恭通2023「鉄の考古学の現在」『季刊考古学』162
李東冠・武末純一2023「古墳時代前期鉄輸入ルートの多元化と弾琴台型鉄鋌」『季刊考古学』162
 田中謙 2023「弥生時代の鉄製工具」『季刊考古学』162
 →工具組成論をバージョンアップ
 小松譲 2023「九州西北部における古墳時代初頭前後の鉄器生産と流通・系譜」『季刊考古学』162
 →砥石にタール状付着物有
 金想民 2023「韓半島西南部地域における初期鉄器時代の展開と新資料」『季刊考古学』162
 →燕の鉄器の摸倣鉄器あり
 杉山和徳2023「東日本における弥生時代鍛冶遺構」『季刊考古学』162
 →裁断・研磨・穿孔等の技術を極限まで高める
 能登谷宣康2023「東北地方における古墳時代の鍛冶関連遺跡・遺構」『季刊考古学』162
 →在地豪族の関与
 林田和人・三好栄太郎2023「熊本市出土「甲子年」銘文鉄刀について」『令和5年度九州考古学会総会研究発表資料集』
 藤村翔 2023「金銅・銀装刀子の分類と編年」『後期古墳研究の現状と課題Ⅰー交差編年の手がかりー』中四国
 →階層性や身分表象機能
 齊藤大輔2023「古墳時代後期における鉄鉾の変遷」『後期古墳研究の現状と課題Ⅰー交差編年の手がかりー』中四国
 →三角穂の成立には百済や加耶の影響

【動物】
 丸山真史2023「魚類遺存体からみた西庄遺跡の漁撈」『海浜集落からみた王権と地域』紀伊考古学研究会
 →カツオが多い

【馬具】
 大平理紗2023「馬模型にみえる鞍の変化」『馬・車馬・騎馬の考古学』臨川書店
 →装飾部位が後輪から尻繋へ
 諫早直人2023「東北アジアの騎馬文化と日本」『船原古墳とかがやく馬具の精華』九州歴史資料館
 →日本列島は東アジアで最も早く家畜馬の利用・生産が定着した島嶼地帯
 桃崎祐輔2023「船原古墳の遺物埋納坑と出土馬具からみた東アジアの国際情勢」『船原古墳とかがやく馬具の精華』九州歴史資料館
 →飛鳥寺塔心礎舎利副葬品との共通点を見出す
 覚張隆史2023「同位体比分析からみた馬の飼育」『馬・車馬・騎馬の考古学』臨川書店
 →移入者の検出に効果的

【埴輪】
 中園・平川・太郎良・春成2023「特殊器台の製作体制」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →特殊器台に特化した工人や集団はいない
 高橋克壽2023「埴輪研究の動向に今思うこと」『埴輪論叢』12

【墳墓】
 端野晋平2023「墓地からみた北部九州初期弥生社会」『九州考古学』98
 →弥生前期前葉までは水平区分
 馬場晶平2023「佐賀市七ヶ瀬遺跡の発掘調査について」『令和5年度九州考古学会総会研究発表資料集』

【紡織】
 小林青樹2023「弥生時代における布生産の開始」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →広い視野での紡錘車研究

【屯倉】
 狩野久 2005「白猪屯倉と蘇我氏」『古代を考える吉備』
 →瀬戸内海の要地に配され軍事的・経済的な意味でも重要な施設
 吉田晶 2005「児島と海の道」『古代を考える吉備』
 →律令的な整備に伴い発展的に解消
 久住猛雄2023「6世紀中頃~7世紀代の比恵・那珂遺跡群」『集落と古墳の動態』Ⅳ 九州前方後円墳研究会
 →東光寺剣塚古墳の被葬者=那津官家管掌者説に疑問
 西垣彰博2023「阿恵官衙遺跡周辺の官衙関連遺跡について」『令和5年度九州考古学会総会研究発表資料集』
 →官道近くのミヤケ

【山城】
 渡邊誠 2023「四国の古代山城」『季刊考古学・別冊』41 四国考古学の最前線
 →城壁周辺の遺物は築造後の活動遺物

【弥生】
 石川日出志2023「東日本弥生文化の特質」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →東西日本は弥生文化成立当初から交流
 藤尾慎一郎2023「水田稲作開始期の気候変動」『何が歴史を動かしたのか』2弥生文化と世界の考古学
 →水田稲作民は気候が安定した時期には農耕社会は定着・成熟していく

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