見出し画像

世界的不況の中、欧州の気候変動フィンテックは回復力を示す CommerzVenturesが発表した 「気候変動フィンテック・レポート2024」によると、欧州の気候変動フィンテック企業は、2023年に14億ドルを調達し、これは米国の企業の1.5倍にあたる。

独立系ベンチャーキャピタルのCommerzVentures(コマーズベンチャーズ)が発表した「気候フィンテック・レポート2024」によると、2023年の欧州の気候フィンテック投資が米国を上回った。欧州の気候フィンテック企業は米国の3.3倍の資金調達ラウンドで1.5倍の資金を調達し、総額14億ドルに達した。資金調達のステージでは、42.3%がプレシードまたはシード、26.2%がシリーズA、31.5%がシリーズB以降だった。分野別では炭素市場が最も多く7億2,000万ドルを調達。国別ではドイツが最多の7億1,000万ドルを調達し、イギリスが2億1,000万ドルで続いた。


独立系ベンチャーキャピタルのCommerzVentures(コマーズベンチャーズ)が発表した「気候フィンテック・レポート2024」によると、2023年、欧州の気候フィンテック投資は、米国の投資家に比べ、資金調達において再び優位に立つことが明らかになった。

前年比38%減を記録したベンチャーキャピタル市場全体の低迷と比較すると、2023年の気候変動フィンテック投資額は、こうした不安定要因や変化の影響を受けず、23億ドル(前年比19%減)に達した。

欧州における資金調達額

報告書に記載されているように、欧州の気候変動フィンテック企業は、米国と比較して、3.3倍の資金調達ラウンドで1.5倍のVC資金を調達した。数字で言えば、2023年に欧州の気候変動フィンテック企業は14億ドルの資金を調達したが、米国の企業は8億8100万ドルだった。

また、資金調達ラウンド数でも、欧州が76ラウンド多く、リードしている(欧州の資金調達ラウンド数は109、米国は33)。

ステージ別の資金調達企業

ステージ別の資金調達状況を分析すると、気候変動フィンテックはもはや新興セクターではないようだ。

レポートによると、2023年に資金調達を行った企業のうち、42,3%がプレシードまたはシードステージ、26,2%がシリーズA、31,5%がシリーズBまたはそれ以降のステージにある。

分野別資金調達額

気候変動フィンテックにおけるVCにとって最も魅力的な分野は、炭素市場である。レポートによると、炭素市場のスタートアップ企業は2023年に最も多くの資金を集め、7億2,000万ドルを超えた。エネルギー管理と炭素会計はそのすぐ後で、それぞれ5億3,000万ドルと3億3,300万ドルの資金を調達している。

これらの数字に貢献した企業の一例として、ロンドンを拠点とするOpna(オプナ)が挙げられる。この企業は2023年9月に650万ドルを調達し、グローバルな炭素プロジェクト向けの資金調達プラットフォームを強化した。同様に、コペンハーゲンを拠点とするスタートアップ企業Klimate(クライメート)は、CO2資産管理プラットフォーム向けに350万ユーロのシード資金を調達した。

国別の資金調達額

ドイツを拠点とする気候変動フィンテックのスタートアップ企業は、7億1,000万ドルという欧州で最も多くの資金を調達し、2位のイギリス(2億1,000万ドル)からトップの座を奪った。

以下、フランス(1億3,400万ドル)、フィンランド(7,700万ドル)、デンマーク(5,600万ドル)と続く。

2023年の興味深い案件の中には、昨年1400万ユーロを調達したスウェーデンのClimateView(クライメートビュー)を挙げるべきだろう。同社はこの資金を、独自の気候ファイナンス・プラットフォームの開発と、「EUの革新的プログラムである100 クライメート・ニュートラル・アンド・スマート・シティズの一環として、都市が必要とする気候投資計画を支援する」ために活用することを目指している。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?