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現象学女子〈9〉友達の友達

 金井君は圭ちゃんと仲がいいが、圭ちゃんと仲がいい人とは仲が良さそうではない。圭ちゃんと仲がいい人は圭ちゃんが何を言っても賛成しかしないので、金井君は気持ち悪がっているが、意外とこういう人は多い。
 
 人間というのはある面では本当に分かりやすいぐらい動物的で、もちろん強いものに巻かれるのはある程度生物としては仕方のないことだとしても、こんなあからさまに?という位、人によって態度が違う人がいるので、どうとらえていいかわからない時がある。
 
 例えば全然違う集団に所属してて、全く交わることのない団体の中の一方で、言ってることが180度違うならわかる。ばれようがないから。でもこの同じ中学の同じ学年で言ってることがさっきと違うことを平気で言える神経がむしろ私には絶対できないことなので、これはこれでむしろ貴重な人間体験なのかしら。
 
 まあ、どちらにせよ距離は置くことになるが、その人はその人なりに必死に生きているのだろうから、あまり考えない方がいいのかもしれない。一つ分かることは他人を変えようとしても無駄である。変えるとしら自分の見方だが、まあ別に今のところ困っていないのでこのままだろう。
 
 しかし毎日こういった自我の相克が教室で行われていて、小さな順位争いや、入れ替え戦があって、その人の中での勝った負けたがあるのかと思うと、お疲れ様としか言いようがない。
 
 まあそれでも人間というのは、優位に立ちたい生き物なんだろうなあ…なんかせつないわ~。


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