私はよくかわいいといわれる〈44〉
先日鈴音の応援に行ったことで、ぐんと4人で居やすくなった。
私と鈴音は上座のソファ席で、森本君と金井君は下座の椅子席で、私は靴を脱いであぐらをかいて座っている。こいつらといるときに品性や恥じらいなど持つ必要はない。もちろん最低限のマナーは大切だが。しかしそこの4人家族、うるせえなこの野郎…
先日の試合で相手チームにいたかわいい子の話を森本君と金井君がして、9番の子の胸が大きく、ジャンプのたびに胸が揺れていた、だのとこの2人は最低な男子を演じ、私は「お前ら本当最低だな」とツッコミ、鈴音は困ったように顔をしかめ、ファミレスにふさわしい(ファミレスに失礼だが)ちょうどよいバカ話ができていて、紅茶がうまい。
おそらく鈴音は森本君にはっきり振られたわけじゃないだろうが、森本君はあえて鈴音の前で最低な話をすることで鈴音に諦めて正解だったと思わせたい節がまだ少し残ってる風ではある。
そういった森本君の牽制の色がまだ少し出ているが、ここにいる時点で鈴音を避けているわけじゃないので、この森本君の牽制しながらも少しづつ歩み寄る姿勢は、いずれ適正な距離に落ち着くことが予感され、それが私からしたらすでに居心地の良いものなっていたのである。
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