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映画感想「神は見返りを求める」

アマプラで視聴しましたー。

田母神役の、狂気溢れるムロツヨシさんの怪演!迫力というか、ぶっ飛んだ後の振り幅凄い。。また、ユリちゃん演じた岸井ゆきのさんの、底辺YouTuber〜人気者への変容によるクソ人格ぶりもなかなかのもので、楽しく拝見できました。
(あと、あえてコロナが存在しない設定になってたのは、余計なこと考えなくてよくて、良かったと思います。)

私も永らくイベント業界の末席にいたもので。どうしてもそういう目線で見てしまいました。恐らくあのイベント会社の設定は、大手代理店さんの下請けイベント会社、的な立場なのかしら?食のイベントとか?ユーチューバーのトークイベントとかやってましたね。梅川(若葉竜也さん)みたいな人、いたなー!!って。とても懐かしく思えてきました。恐らく20代後半くらいの、バイトチーフ上がりでイベント業界に入ったような。アルバイト時代には女の子アルバイトと複数関係持ってモメたりしてそう。。あの立場で、出演者とグイグイ仲良くなれるポテンシャルはやはり、持ち前の調子の良さやある種、病的とも取れる「自分の無さ」が成せる、出世頭なのでは無いかと。

田母神さん的な、昔ながらのイベント業界からの人も、まさに「あるある」なキャラクター。「お前とオレ」的な、金銭でない仕事も泥臭くやって、まあ、何かの折に次の仕事につながればいいかな、的な考えの人。情に熱いタイプというか。困ってたり、もがいて足掻いてたりする人をほっとけない、「困った時は、お互い様」で、「だって、なんか悪いじゃん」って、そういう価値観で行動できるタイプ。(そういういい人は、お金で騙されて業界を追われたりする方も多く。。そこもイベント業界あるある。)

だから、田母神さんはまあ、ユリちゃんとどうこうなりたかったわけではなく、不器用にも頑張ってる人がいたから応援したかっただけで、その見返りは恋愛感情でも、お金じゃなかったのだと思う。ただ、ユリちゃんの変容ぶりがひどくなるにつれ疑問を感じるようになり、最終的には田母神が信条としていた「困ったときはお互い様」を踏みにじられて、田母神さんはブチ切れた。。というのがつまるところだったのではないかと。

お金も関わるゴタゴタも、それが原因で飛ぶ人も、たくさん見てきた。キラキラした世界の反面、そこで勘違いしてどこか制御が効かなくなり、心身が壊れていく。。壊れるのが大体40歳から50歳あたり。これもあるあるではないかと。まあ、どこも一緒か。

また、田母神さんがやってるフィジカルな「イベント業界」にとって、YouTuberという存在の台頭は、業界にも少なからず影響を与えたのも事実。その機運にあざとく切り込み、自身のイベントに利用できるのが梅川(相葉竜也さん)だとしたら、田母神は旧来のイベントという「人と、人」の信頼とか信用がベースの世界(そこも「決定権」だったり「挨拶」だったり面倒ではあるが)で生きてきたスタッフな訳で。劇中にもあったが、イベント全体の予算の削減で割を食うのは下請けの運命であり、いつもは柔和な対応ができる田母神が、精神的に荒んだ折の打ち合わせで、珍しく声を荒げるシーンがあった。旧来のイベントというフォーマットは、もう斜陽とされているのかもしれない。

そこに取って代わったのが、「刺激」や「真新しさ」、「ポップさ(軽薄な明るさ)」を前面に出した人気YouTuberたち。ひとたび注目されると人気者に!その為には人の気持ちも道徳もお構いなし。そういう「夢」のような世界には、落とし穴はつきもので。結局、ユリちゃんも散々利用されて、ゴッティからの攻撃を「焚き付け」られて、「燃やさ」れてキャリアを失う。まさに「業火」に「炎上」したのだ。

ウエストランドのネタの、井口さんの声で「まともじゃない!」「警察に捕まり始めている!」というのが、観た後に頭の中でじわじわとリフレインして、味わい深かったです。

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