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エッセイ~トイレ掃除から達成感を得るには~

皆さんは好き嫌いがありますか?
私はあります。こんなにざっくりした問いかけなら
「全くない」と答える人は稀でしょう。
食べる物、人間関係、ありとあらゆるものに私達は
「好き」「嫌い」と分類しているのではないでしょうか。

ある午後、私は妻からトイレ掃除を頼まれました。
私にとってトイレ掃除は比較的「嫌い」に分類されます(こんなこと書いたら怒られますね)。便器の中、外周り、座る所など洗剤を使い分け、ブラシでこする。トイレットペーパーを使ってこする。やはり最初は抵抗を少なからず感じました。が、最終的にピカピカになったトイレを前に達成感だったり、気持ちよさを感じたのです。

さて、ここでよくある一つのツッコミとして
「1回やっただけで毎回やっている苦労がわかってない」
が出てくるかもしれません。
と、その前にトイレ掃除を頼まれてからの感情の流れを確認しておきたいと思います。
①「トイレ掃除を依頼される(嫌だなぁ)」→②「実際掃除する(抵抗があるものの次第に慣れてくる)」→③「掃除終わり(達成感)」

①の主な理由としては、
「トイレが汚い(触りたくない)」「面倒臭い」
しかし②の段階では既にやってしまっている時点で「面倒臭い」は消え、「触りたくない」も実際痛いなどの害もないことだと慣れてしまえばどうということはなくなります。そして達成感へ。

ここで分かるのは普段人間は「物事へ移行する前はイメージに支配されている」、「やれば慣れる」生き物であるという事です。
食べ物だって「食わず嫌い」なんて言葉がありますよね。①の段階から動けない状態。でも②に行くと意外と大丈夫だったりするし、今まで嫌いだと思っていた分、克服した達成感も得られます。

ただ問題は②の段階でもマジで駄目だった場合。これはもうきっぱり諦めるしかありません。けれど人間は記憶します。やっぱり①の段階でのフィーリングが正しかったんだと評価します。これにより①止まりが続くと③への体験が不足してしまう。
ですのでトイレ掃除くらいのハードルからスタートするのがいいのかもしれませんね。

では話を戻して、
「1回やっただけで毎回やっている苦労がわかってない」問題にも触れておきましょう。
継続することは大変です。
そして先ほど言ったように人間は慣れる生き物です。
ですので「達成感」も段々と平たくなってしまいます。
③の効果が小さくなれば、自ずと①での理由がじわじわと大きくなっていきます。それが「毎回の苦労」の正体の1つでしょう。
そしてそれに悩まされている人は相手に「成功体験」ではなく、「毎回の苦労」を知ってほしいと思ってしまうのです。
これは私も仕事をしていて思い当たる節があります。ただ今回この話に深掘りせず、「毎回の苦労」をどう解決するかを書いて終わろうと思います。

案の方向性の前提としては③をいかに感じられるようにするか。ですので「毎回の苦労」の理由が「キャパオーバー」によるものでしたら、今回は当てはまりません。また別の機会に書いてみようと思います。

(案A) 達成感の軸を根のように広げる
(案B) 達成感のポイントを絞る

「広げる」「絞る」と矛盾した言葉を並べてますが、AもBも本質は同じです。要はマンネリ化をどう防ぐか。
ではまたトイレ掃除を例にしてみましょう。
最初の達成感は純粋にトイレが綺麗になった、だとします。でもトイレを使う際に気にすることは綺麗にすることだけでしょうか。例えば「水の流れは正常か」や「トイレットペーパーの在庫管理」も必要かもしれません。
簡単に言えば、「軸とした仕事」から「根のように小さな仕事」を派生させて、小さな達成を増やしていくのです。
もう一つは「ウォシュレット部分の汚れが取れてなかったからここを重点的にやってみよう」などポイントを絞った課題を見つけて取り組むことです。最初はざっくり綺麗になって満足していましが、経験を積んでいくと細かい粗が見えてくるようになります。また絞ることで毎日の仕事内容を変えることができるため、予定を立てつつマンネリ化を防げるのではないでしょうか。

最後に、
これを書いてしまったからには私がトイレ掃除を継続しなければいけないという事実に気付いてしまいました。幸いこれが妻に見られることはないのですが…



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