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ジェイラボワークショップ第70回『宇宙は何でできているのか』【物理学部】[20240115-0128]部長総括#JLWS

具体的なWSの内容は以下のnote記事をご覧ください:

今回のWSでは、『宇宙は何でできているのかー素粒子物理学で解く宇宙の謎』(村山斉)の内容(初めの方)を扱いました。

僕の専門分野は素粒子物理学なのですが、この本は研究室の教授がお薦めしていた本です。物理を知らない一般の人でもわかりやすく、かつしっかりとした内容を扱っている(わかりやすくするために内容を簡単にしすぎていない)ので、教授がお薦めしていたのも納得できます。素粒子物理学を勉強するには量子力学、場の量子論といったたくさんの前提知識が必要なので、なかなか素粒子物理学まで辿り着けません。なので、「学ぶための前提知識が揃っていないけど、早く素粒子物理学がどのようなものかを知りたい」と思っている学部生や高校生などにおすすめできる本です。ちなみに、この前僕が参加した研究会で、この本の著者の村山斉さんを見ました(直接話してはいないけど)。

今回のWSでは、Mitakaというソフトウェアの紹介をし、今年度の振り返り・来年度の方針について話し合いました。Mitakaは、宇宙の天体、銀河などを見ることができるソフトウェアで、指定した時間、場所での宇宙の様子を見ることができます。今回初めてMitakaを知ったのですが、かなり綺麗に宇宙の様子を見ることができ、直感的に操作できるので、学校での授業や自分で宇宙について学ぶ時に効果的に使えそうだと思いました。学習目的以外でも、単純に宇宙を眺めるのは楽しいので、興味がある人はぜひ使ってみてください。

ちなみに、元々はカルロ・ロヴェッリ『一般相対性理論入門』を輪読してその内容をWSで扱う予定でしたが、その輪読が頓挫して、今回の内容に変更になりました。カルロ・ロヴェッリさんは『時間は存在しない』などの一般書の名著がたくさんあるので、一般相対性理論の教科書でもそのわかりやすさを期待したのですが、実際に読んでみると、文章として意味がわからないものであったり本当に合っているか怪しいものがあったりして、とても期待はずれのものでした。一度一般相対性理論を学んだことがある人からすると「こういうことを言いたいのだろうな」ということはなんとなくわかるのですが、専門的な内容を簡単に書こうとしているせいで初学の人にはむしろわかりにくくなっているし、2冊目以降としてこの本を読むほどでもないので、一般相対性理論については別の本を読むをお薦めします。

今年度はその頓挫した『一般相対性理論入門』を除けば、専門書の輪読は行っていません。専門書の輪読をしてもいいのですが、専門書の輪読は大学でもできますし、様々な分野の人が参加しているジェイラボ内でわざわざ専門書を扱う必要性はないと思っています。というなら、普段大学で読まないような一般書をあえて輪読しようということで、最近は一般書の輪読がメインの活動になっています。一般書なら部員全員が理解できますし、物理が専門の人でも一般の人にわかりやすく説明する技術を学ぶことができます。もちろんWSの題材にしやすいというのもあります。

座談会での話し合いで、一般書・専門書の区別にこだわる必要はなく、部員全員が納得して読むことができる本を選ぶのが大事だという意見がありました。その通りで、上では専門書を扱う必要性はなく一般書を最近では扱っていると書きましたが、部員全員が興味を持って読める内容であれば専門書でもいいと思っています。今後も部活動内で話し合いながら、全員が納得できる形で輪読を行いたいと思います。

今回のWSの部長総括は以上です。今年度はありがとうございました。また来年度もよろしくお願いします。

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