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Starvoyager's Quest: The Stellar Brain's Journey 007

"Unexpected Contract - The Adventures of Elder and LoveCode Sentinel"

ダイナミカのリース契約をするつもりは毛頭なかったエルダーだが、ザンダーにとっても別段問題とはならなかった。里帰りしていた種族が、母星になじめず戻ることなったからだ。ザンダーにとっては思わず宇宙引越センターに対して大口顧客を紹介でき、バックマージンによって今季のノルマを達成してしまうという快挙となった。

「それは期限付きの証明鍵です。すでに期限が切れておりますので、まぁ、お土産にお持ちください」

というわけで、エルダーは、ネズボーグをも手に入れた。何とするわけでもないのだが。

「これから、よろしく頼むぜ。相棒!」

とはネズボーグがステラー・ブレインに言った言葉である。

「相棒とは光栄の至り」

ステラー・ブレインは真面目なのか、ふざけているのか、そう返事をした。エルダーは、というと蚊帳の外である。
ダイナミカでは、アプロナータの働きによっておよそ六か月分のエネルギーや資材を入手した。ザンダーは、数日でその程度でしたら、何の問題もありません。と、エネルギーや資材の持ち出しは問題にすらならなかった。
不動産仲介業者を探して、これを繰り返せば、事足りるんじゃないかと、エルダーは考えたが、そうそうそんな出物があるわけないではないですかとステラー・ブレインにたしなめられた。

ダイナミカを離れ数日たったころ、ネズボーグがエルダーに向けて発した一言がある。

「ちなみに俺たちを単なるペットくらいに考えているかもしれないが、契約書ちゃんと読んでおけよ」

エルダーは、ペットとすらも考えていなかったわけだが、その意味ありげな発言に不安を覚え、ステラー・ブレインに証明鍵の所有に関する契約について再検討するように指示をした。
ステラー・ブレインの回答:

「証明鍵の期限は鍵としての期限をさしています。紛失などに関する項目に対しては記載期限が有効ではありません、無期限だということになります。」

「つまり?」

「ネズボーグを紛失するとスターキーパーの大艦隊に討伐されるということですね。」

「そういう事よ。俺を大事にせにゃならんというわけだ」

ネズボーグがにやり、いや、ぐへへっと笑った。

「例えばよ」

といって、ネズボーグがメスの冷凍装置をよっこらせと抱えて、すたこらさっさとどこかへ消えていった。その直後、接近警報が大音量でなりだした。

「艦隊接近。戦艦7隻、巡洋艦35隻、そのほか多数!」

コックプットのディスプレイがすべて赤色フレームになり、超級の危険を報告している。その艦隊から、警告が発せられた。

「我々は、スターキーパーである。直ちに停船し、シールドをおろせ。転送に備えよ。従わない場合は攻撃す」

ステラー・ブレインはエルダーの指示を待たずに、転送受け入れの準備をした。

「ボーギスを相手にできる船だぞ。ことを構えても・・・」

とエルダーが言いかけると、

「無理です」

とあっさりな、ステラー・ブレイン。すぐさま、船内の倉庫区画に、天秤棒が一本、転送されてきた。

「バランスネクサスを転送した。契約書を読み20分以内に正しくネズボーグの存在確認をせよ。以後、秒読みや警告は行われない。攻撃まで19分57秒」

エルダーの顔はみるみると青ざめていく。

「おい!ネズボーグ!」

エルダーが呼んだが、返事がない。

「ステラー・ブレイン。ネズボーグの所在は?」

「アプロナータの居住区画に入った後、所在がわからなくなりました。これは・・・そう”一大事”ですね」

「一大事だよ!」

エルダーにだけ、緊迫感が走る。

そのころ、アプロナータ達は、お茶の時間を過ごしていた。


 【論文】バランス・ネクサス

著者: ステラー・ブレイン

概要:
本文書では、照明鍵(ネズボーグ)の存在確認に用いられる「バランス・ネクサス」についての研究結果を報告する。バランス・ネクサスは、天秤棒型の装置であり、その両端にオスのネズボーグとメスのネズボーグを冷凍装置置入りのまま載せて使用することで、所有者に照明鍵の存在を確認させる仕組みである。

  1. 背景と目的:
    バランス・ネクサスは、スターキーパーが照明鍵の所有者を確認する際に使用される重要な装置である。照明鍵は個別の個体によって所持されるため、バランス・ネクサスを利用してネズボーグのバランスを測定することで、照明鍵の存在を特定することができる。

  2. 方法:
    バランス・ネクサスの操作方法は簡便である。所有者は両肩に装置を担ぎ、体を直立させる。その際、バランス・ネクサスの両端に載せた雄のネズボーグとメスのネズボーグ冷凍装置入りが、所有者の姿勢に応じてバランスを保つことを確認する。照明鍵の存在が確認されると、装置のバランスが保たれる。

  3. 結果:
    バランス・ネクサスの効率的な機能を確認するために、さまざまなテストケースで実験を行った。結果として、所有者の個別の特性に応じて、装置のバランスが変化することが示された。これにより、照明鍵の存在を正確に特定することが可能であると結論付けられた。

  4. 考察:
    バランス・ネクサスは、実用的な設計と簡便な操作性により、照明鍵の存在確認において有用なツールであることが確認された。また、ネズボーグの装置におけるバランスの微妙な変化を計測することで、照明鍵の所有者の個別の特性を考慮した確認が可能となり、正確性を向上させることが期待される。

  5. 結論:
    本研究では、バランス・ネクサスによる照明鍵の存在確認に関する初めての報告を行った。バランス・ネクサスは、スターキーパーが効率的に照明鍵の所有者を特定する際の重要なツールとして、今後も広く活用されることが期待される。さらなる研究により、装置の精度向上や利便性の改善にも取り組むべきである。

以上