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森の深い部分を歩いていると、エオランデは一匹の狐と出会う。その狐はエオランデを見つけると、少しの間合いを取ってつかず離れずついてくる。その様子から察するに、おそらくは母狐と子別れした狐であろう。

エオランデと狐は言葉も通じず、互いに触れることもなかったが、森を抜けるまでその関係は続いた。森の端に差し掛かり、川を渡ろうとすると、狐は立ち止まる。その瞳には何かを訴えるような、しかし解釈のつかない表情が浮かんでいる。

狐の心はわからない。別れを拒んでいるのか、別れを惜しんでいるのか、それともエオランデの旅の無事を祈っているのか。川を渡り切って振り返ると、狐はもういなかった。

エオランデはそれが少し寂しかった。しかし、彼女もまた、二度と振り返ることなく、川を後にした。その心の中には、狐と過ごした時間の記憶と、未来への新たな決意が混ざり合っていた。