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「朝の通勤電車での不可解な出来事」 時々ショートスプラッター

朝の通勤電車に乗っている佐藤は、始発から乗車していた。いつもの席、いつもの顔ぶれ。彼は目を閉じ、終点までの1時間22分をいつも通り過ごすつもりだった。しかし、目を覚ましたとき、まだ途中駅にいるようだった。通過線を越えて行く別の列車が窓の外に見えた。「おかしい…」と佐藤は思った。彼が乗っているはずの電車は、始発から終点まで最速のものだった。

まばたきをすると、電車は猛スピードで疾走していた。突然、アナウンスが流れた。「次は、終点です。ご注意ください。」と言い終わると、電車は急停車した。扉が開き、佐藤は目を疑った。外は真っ暗で、何も見えなかった。その瞬間、電車の中で何かが動き始めた。人々の悲鳴が響き、何か鋭いものが空気を裂いた。

佐藤は恐怖で身を固くしていたが、何かが彼の足に触れた。彼は下を見ると、血に染まった手が彼の足にしがみついていた。その手は突然引っ張られ、佐藤は床に倒れた。何かが彼の上に乗り、佐藤はその瞬間、自分がこの電車から逃げなければならないと確信した。

佐藤は全力でその何かを振り払い、車両の扉に駆け寄った。開いた扉から佐藤は飛び出した。外は暗闇だったが、佐藤は走り続けた。そして、何かが彼を追い越して行った瞬間、佐藤は気づいた。彼はこの電車、この場所から逃げることはできない。それは彼自身の内なる闇、そして恐怖だったのだ。