見出し画像

連続テレビ短編ドラマ 峯山みどり =節約の最前線

「みどり風ビアガーデン」

峯山みどり、27歳、独身。結構イケる口。

金曜日の夜、まだ陽は高いが、新宿の目抜き通りはにぎやかだ。今年あたりはビアガーデンも大いににぎわうんだろうなぁとみどりさん。

みどりさんは、考える。
節約も楽しみあっての事。ずっとすごもりじゃぁ、息が詰まる。
かといって、飲み会となれば虫以下野郎のあいつが必ずわいてくる。酌しろ、笑え、あげくのはてに、「アーン」と口を開けてエサを要求しやがる。
雑巾代わりに使ったおしぼりをねじ込んでやろうか。

みどりさんは、ブンブンと首を振り、「なんであいつのことなんか!」と、自分の想像の翼をへし折った。

というわけで、、ビール、そう、発泡酒じゃなくて、ビールを買って、帰宅。


残り物でも、工夫次第。今日はミニピザ。
食パンに、ケチャップを塗り、たっぷりのチーズをのせて、ベーコン、玉ねぎ、ピーマン、トマト。オーブンレンジで焼いて、オリーブオイルを少しかけ、バジルの葉をちぎって。

「家庭菜園、やっててよかったー!」古っ!

ビールとミニピザを持って、ベランダへ、まだ、少し暑いけど。

「峯山みどりがー、マイビアガーデンにー、キターーーーーー!」だから・・・

遠くで、花火が上がっている。水田家の風鈴がチリンチリンと鳴る。

「もう、浴衣に着替えちゃう?」独り言、多くなりましたね。

ビールを一口、ぐいーーーーとだけど、一口。

「くぅ!この私の一口のために、宇宙は存在してるんだな。」ですよねー。

「アヤさん夫婦、誘っちゃお。」

素敵な金曜日の夜は更けていく。