見出し画像

1983年 22歳の地図② (June 1984〜)

June 1984

“ギブ・アンド・テイク”、
これが社会の原則らしい。
いつのまにか、
友人に対してもギブ・アンド・テイクを求めるようになる。
例えば、相互にとり有用な情報の交換、といった具合に。
もらうもの無ければ与えない。
与えなければもらえない。
だから、ギブ・アンド・テイクできない相手とは付き合わない。
もらうものが無さそうな人には近づかない。
それが当たり前らしい。
良い意味でも「利用し合う」のが人付き合いか。
やっぱり「ひとり」だ。

ギブ・アンド・テイク、
利用するか、されるか。
やるか、やられるか。
—- ずるいやつは強い。

社会人は金を稼いでいる。
騙し合いのつらさを知っている。
それで?
だからどう?
それが尊いか?
人を騙せると偉いのか?
人を裏切ったり裏切られたりすると一人前なのか?
そう考えている人を僕は軽蔑する。

大人(社会人)は求める何かを得るために
越えねばならない壁の厚さを知っている。
また、
彼らにとっては、求めるものを得たとしても、
それが一瞬にして消えるようなものではなく、
その得たもの、あるいは得たことによって
発生する何らかメリットが、
恒久性なり連続性を持っていないと価値が無い。
それが「生活」なのだ。

人はできる限り
やりたいことをやって生きたほうが
幸せではないかという気がする。
最低限の忍耐と
それに伴い生まれる「小さな幸せ」だけで
一生終わるなんて
僕には考えられない。
————————————————————————

July 1984

人格以上に、その人に付随する
「手かせ足かせ」が信用の基礎になる。
結婚していたり、家があったり、子供がいたり…。
相手の足もとを見る。
足かせがある。
安心する。

「足かせ」を生きるための武器にしようと
自らはめる人が多いらしい。
「No!」 だ。

「足かせ」がある者どおしの
共同被害者意識が
仕事のつながりを強くすることがあるのではないか?

「一年なり三年の忍耐がのちの人生の勝利につながる」
「地道に働いて三年、信用を得る」
「会社を2年未満でやめるとキャリアに傷がつく」
「長い先の見通しを考えて働け」

なんてくだらない世の中。
みんな歳の功だけで仕事している。

大人の世界は一歩引いてみれば茶番劇。
みんな必死の覚悟で茶番を演じる俳優。
あやつり人形。

(つづく)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?