見出し画像

『ひとりでも生きていけそう』って言われたけどさ 〜双極性障害の頭の中 24

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

常に私にくっついて回る、“強い女”のレッテルについて書いてみようと思います。

なけない女のやさしい気持ちを

あなたがたくさん知るのよ

無邪気な心で私を笑顔へ導いてほしいの

ぎゅっと私を抱きしめて

CHARA:『やさしい気持ち』


趣味のバー通い

5年程前、私は週末になるとバーを巡るのが趣味でした。
私は女ですが、バーでひとり静かにお酒を飲むのが愉しみだったのです。
今はお酒を辞めてしまったので、なんだか別人の記憶のようです。

近所の行きつけのバーでは、カウンターの上に設置された音の出ないテレビで、マスターの趣味のB級映画を眺めながら、ちびちびと臭〜いアイラを飲むのが定番。

話しかけられたら、まぁ、テキトーにその場のノリで会話を楽しむ。
通っているうちに常連の何人かと顔馴染みになりました。

その中にとあるゲイの青年がいました。



“ひとりで生きていけそう”って言うな!

彼は普段自分がゲイであることを隠して生きているようでしたが、バーにいる時はオープンにしていました。
塾の講師をしているらしく、見た目はフツーの青年です。

前提として、私はLGBTQに偏見も無ければ抵抗もありません。
その青年ともフツーに会話し、他愛もない恋愛相談にも乗ってあげたりしていました。
その日はマスターとゲイの青年と私の3人で、恋愛トークで盛り上がっていました。

その時、ゲイの青年に言われたのです。

『なんかパピヨンちゃんって、ひとりで生きていけそう〜』


…。

出たよ、このワード。
今まで何度、男どもに言われたかわからない。

毒舌の私は喉元まで出かかった『お前、ホント脳みそはオトコのままだなっ!』という意地悪な言葉をどうにか飲み込みました。
ここはバーだよ。
お酒の入った相手に本気になったってしょうがない。

ちくしょう、女性なら絶対に踏み込まないエリアまで立ち入って来たな。
女の世界は“暗黙の了解”に満ちているもの。
みな上手に地雷を避けながら会話しているのだ。
殿方には(ゲイにも)分かるまい。

“ひとりで生きていけそうどころか、私は小心者ビビリだ!挙げ句に精神疾患者だ!どうせメンヘラって笑うんでしょーよ”

言ったってしょうがない自虐的なセリフを、ひとりウイスキーで流し込みました。



ひとりの女は強いのか?

私は長女気質な上に、身長もやたらデカい笑
もう、昔から“強い女”のレッテルをベタベタと何重にも貼り重ねられてきました。
まぁ、バーでひとり酒を飲んでる女なんて、“ひとりで生きていけそう”に見えますわな。

でも本当の私は、アリンコ並みの小心者。
いわゆるノミの心臓というヤツです。
高校生くらいまで、店員さんなど知らない人に自分から話しかけることができず、母にお願いしていました。
「自分で聞いてみなさい!」とよく母に注意されていたのを覚えています。

クラス替えの度に新しい友達に自分から話しかけるなんてとてもできない。
仕方なくひとりでお弁当を食べていました。
その姿も“強い女”に見えるらしい笑
本当は誰かに声をかけてもらえるのを待っていただけなのに。

それでもみんなは見た目だけで“堂々としてる”というレッテルを貼ってくる。

何故か人前で話すのは苦手では無かったので、授業中に発言すると、なんとなく堂々としていて“強い女”に見えてしまう。
そのせいか、推薦という無責任制度により何度も『学級委員長』をやらされてきました。
もはや、“強い女”のレッテルに自分が合わせていくしか道は無いのか…

大人になり双極性障害を患ったことで、小心者のビビりの上に精神疾患まで背負うことになり、見た目と現実の自分はますます乖離していくばかり。
本当の私は、みんなが思う“強い女”キャラを演じようと日々必死なのです。


泣けない女の優しい気持ち

大ヒットドラマ『ドクターX』の大門未知子に、私はとても共感してしまう。
彼女はただの“強い女”じゃない。
ダメダメで泣き虫で弱い自分を知っているからこそ、人一倍努力し、それを見せない。
美しい衣装と、高いピンヒールは、ほんの少し勇気を与えてくれる、彼女の“鎧”だ。

表面しか見ないアホな男どもは揃って、
『お前は大門じゃない、デーモンだっ!』
と罵るのです。

彼女は眉をひそめるだけで、何も言い返さない。

“泣けない女の優しい気持ち”など、彼らには(あのゲイの青年にも)永遠にわかるまい。

まぁ、男性は単純だからこそ、可愛いんですけどね笑


ちなみに私、大門未知子を演じる米倉涼子さんより背が高いんですよね…
やっぱり、ひとりで生きていけそうに見えちゃいます??


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?