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みんなピーターパンでいたいのかもしれない

ピーターパン症候群という言葉があるくらいですから、ピーターパンとは子供のままでいるという象徴のようです。ネバーランドでは子供のままでいられる。僕もネバーランドに行きたいくらいです。誰だって子供のままでいたい、僕はそう思っています。幼稚園、小学校、中学校、高校と、僕らは何も考えずともみんなと同じ道を辿っていけば自動的に大人への道を歩めていました。僕もそうでした。高校三年生になって自分の将来の進路について考えるのが嫌で、逃げていました。選択肢が多すぎるからです。自分には何も取り柄がなくて、得意なものもないってなると自分の将来を決めるカードが何もないのと同じです。「好きなことを仕事にしよう!」、「自分の好きなように生きよう!」なんて言葉は当時の僕の慰めにもなりませんでした。急にレールを外された気分でした。そして僕は思うのです。「子供のままでいたいな」と。でもクラスメイトのAくんは僕とは真反対の意見を持っていました。「俺は早く大人になりたい」って。なんでだ?と聞くと彼は「今まで不幸ばっかだったから、未来の分の不幸まで背負ってきたから、俺の未来は今までの分の幸福があるんだ。」と言った。僕ははっとした。子供のままでいるなんて幼稚すぎる考えだったと。みんな嫌だけど大人になっているんだ。誰かのために一生懸命に働いているんだ。その義務から逃げるってすごくダサいなって、当たり前だけどその当たり前から逃げていた僕を救ってくれた言葉でした。

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