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野菜の種採り

今年も夏野菜は今が最盛期でこれから徐々に生産が落ちていく。今年も草取りでヘトヘト。夏野菜の種採りをぼちぼちとはじめた。固定種の採種は当農場の最優先事項なのですが、まあ洗ったり、干したりしたりして大変な面もあります。また、気を付けないとすぐにカビます…。買った方が楽だと思います。

日本の栽培野菜については子孫を残せない(親の劣勢が出てしまう)F1種というのが主流なことは何度か書いてきた。私はそれについては農家の選択の自由だと思っているが、そういった単一なものだけになってしまうと、もしもの時、病気が蔓延したりした場合に大変なことになる。何事も多様性が重要なのだが、日本ではこと農業に関しては「売ること」が重要なので種の管理まではそんなに気がまわらない。もしかしてこれからどんどん経済が悪化して、お金があってもモノが買えなくなる時代が来たら、人々の考えも変わるかもしれない。

そもそも、栽培作物といっても、今、私たちが好んで食べている野菜の歴史はそんなに深いわけではない。ある意味、栽培作物は植民地主義の大航海時代にヨーロッパの侵略者が南米の作物を本国にもってかえったりして、略奪の過去もあるのを忘れてはいけない。日本の場合は米や野菜は大陸から入ってきたものが多いが、それでも今みたいな状況になったのは江戸時代ぐらいからだと思う。その中で百姓はその土地に合った野菜を時には自家交配し、固定化して自らのものにしてきたが、今では前述のように農業も種もビジネス化(お金を儲けるためのもの)してしまったので、あまりその重要性を考えている農家は少ない。

いつもの社会滅亡論(笑)になってしまうが、このところの異常に気温が高い夏、局地的な大雨(野菜栽培にとっては適度な降雨環境が重要)、暖かい冬などの環境破壊が相まって、下手をすると栽培作物も遺伝子組み換え作物に変わる時代も近いかもしれない。私は生命の遺伝子を人間が操作することは踏み込んではいけない領域だと思っているが、日本でもそういったものの研究は一般圃場でも行われている。要は人々の認識がこういったところに向かわなければ、世の中はなあなあな感じ(?)の方向に向かわざる負えない。人々の無関心がこういった状況を起こしていると指摘しておきたい。

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