生成AIによる広告画像等の利用について地味に気になっていること
あんまり指摘されてないですが地味に気になっていることを一点。
所謂「いらすとや」やフリー素材として生成AIによる人物画の画像を広告画像等で使用したがっている人が多いみたいですが、個人的には出てくる絵柄がR18界隈を想起させるものが多く、そのあたりがひっかかっています。
広告業界の人があまり漫画やアニメ、ゲーム等の絵に詳しくなく、おそらく「漫画絵、アニメ絵、全部一緒!」に見えてしまっているのが元凶かなと思いますが(※1)、「今風の一枚絵」として出されてくるもののうち、ボカロ界隈っぽいもののほかにエロゲ文化の延長にあるものがことのほか多いことが地味に気になっています。
一般に、アニメ系の絵を一般向け広告として出す場合、かなりある方向の演出を抑えて「一般向けっぽいテイスト」に直して描きおろしてきた過去があるはずですが、生成AIによる画像はそのあたりのすみわけを破壊しているようにみえまして。そのあたりの文化の混流が個人的には気になっています。
あと、絵柄を「今風」に直したいベテラン漫画家さん、ベテランイラストレーターさん等がStableDiffusion等やNovelAI等の系統の生成AIによるデフォルトの女の子の絵等を「今風の絵のお手本」として、それを真似して練習したりしているのを見ると、なんだかなーと思います。
どちらかといえば2018年ごろには既に大手アダルトゲームメーカーでは普及していたタイプの色彩感を感じるんですよね。
まああとは最近のエロソシャゲ等ですよね。(※2補足)
くだんの画像生成AIツールにおいて、美少女絵の分野に関しては自分はエロゲないしエロ同人からデータを吸った結果かなり出力がそちらに偏っているように見ています。その理由としてそれらのツールでは出力を抑制する前の段階では言葉の指定のみからR18スチルのような画像が生成できていたことがあります。
まあそういうわけで、画像生成AIによって人物系のキャラクターイラストを生成して一般の広告にそのまま転用するためには、データの選定とタグ付けからもう少し標準的な画風に選定しなおす必要があるのではないかと思いました。
という話でした。
(※1補足)
あとは日本のアングラ文脈を無視した海外発ソシャゲの流れ等もありますね。
(※2補足)
ソシャゲという言葉には全年齢向けなイメージがあるかもしれませんが、スマホにいくつかインストールしてみればすぐわかると思うのですが、実はエロソシャゲが結構あります。
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