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コスタリカの道路脇で幻の鳥ケツァールに出会った|Episode

一つ、コスタリカの森
二つ、ケツァールがいた
三つ、鮮やかな羽を広げて
四つ、木々の間を飛ぶ
五つ、美しい歌を歌う
六つ、人間の姿を見た
七つ、目を輝かせた
八つ、心を奪われてしまった
九つ、自然の神秘
十、ケツァールの輝き
(Bardにケツァール観察の様子を意味もなく数え歌にしてもらったよ。)

コスタリカでは地球上の全生物種の約5%がみられ、特に鳥類は地球上の約10%に及ぶ約850種が生息している。例えば熱帯低地に位置するラセルバ生物保護区及びその周辺では、411種の野鳥の生息が確認されており、図鑑や調査シートを片手に野鳥を観察する訪問者の姿をみつけることができる。大きく美しいくちばしを持つトゥカン(オオハシの仲間)や、1秒に60回も羽ばたくというハチドリなど、世界中のバードウォッチャーの垂涎の的となっている。

この国を代表する鳥ケツァールはキヌバネドリ科の一種である。オスは真紅の胸部、エメラルドグリーンの頭部の優美な姿で有名であり、マヤ文明で崇められていたため「幻の鳥」とも呼ばれている(ケツァールはグアテマラの国鳥で、通貨単位名でもある)。1999年、この鳥を見たときのことを思い出してみよう。

場所がどこだったかあやふやで申し訳ない。確かサンタエレーナ自然保護区でボランティア活動する前か後の道中だったので、モンテベルデの近くだったのではなかろうか、と思う。

サンタエレーナは熱帯雲霧林で、ものすごい湿気に絶えず包まれていたような感じ。30〜40㍍の高木、その幹や枝に付着しているコケ類やエアプランツ、ラン科の植物(約1400種のランがコスタリカに生息)が一面の緑を形成している。見た目も体感も簡易ベッドのシーツもとにかくジメジメしていて、3泊だったか4泊だったかが長く感じられた。

コスタリカでの自然保護活動は利用が許可される自然保護区(国立公園、野生生物避難区、私有保護区などが中心)の内部で行われ、活動内容はどの保護区でもほぼ定式化している。サンタエレーナでは主に遊歩道の整備や生物調査が行われていて、スウェーデンから来た大学生グループと一緒に、看板製作やライトトラップ調査なんかを手伝った。

自然保護を具体的に推進する人材として、ボランティアは欠かせない存在であり、旅行代理店がボランティアツアーを企画するほどの需要がある、国内参加の中心は学生だが、海外組には勤労者や老後人生の充実のためという動機の年金生活者もみられる。自然保護区などに滞在してボランティア労働する場合、1週間単位で当時100~200US㌦程度の参加費を徴収しており、これらの参加費が保護団体の重要な運営資金となっていた。

ボランティアの指導は保護団体や自然保護区の職員が行う。プログラムは参加者が飽きないようバリエーションを備えており、一定期間ごとに活動内容を変えたり、週末は遠足に出かけたりなど工夫が凝らされる。参加者同士の相互交流も参加の動機としてあり、それを可能にする宿泊施設のアメニティも重要視される(サンタエレーナの場合は小規模運営だったせいか、アメニティは存在しなかったが…)。

さてケツァールのほうはというと、そもそもツアーに参加したわけでもなんでもなく、車で移動中の道路脇の木立で出会うことができた。ときどきツアーガイドもするという運転手が、「このへんはケツァールがいるから」と低速にして2,3分走らせていると、早くも見つけたみたいで車を降りる。

促されるまま双眼鏡をのぞく。
彼が指差す方向にレンズを向け、何度か角度を調整する。
「見えた!」

結構遠くて小さかった。でもベストシーズンではないし、こんな道路脇だし、出会えただけでもラッキー!だと思おう。運転手によると、好物のアグアカティージョ(リトルアボカド)の木に止まっていることが多いそうで、ケツァールが果実を丸のみして、胃の中で種を分離することで実は発芽しやすい状態になり、糞をしてもらい繁殖地を広げるのだそう。持ちつ持たれつのwin-win関係が成立しているんだね、千葉ちゃん。

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