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near death|夢物語り

夜の

眠りにかいま見た

ふしぎ夢物語り 、、、その録。


. ・ ° ・ 。. ・ ° ・ 。. ・ ° ・ 。


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わたしは
人生を卒業して今、
明るやかな光と空気に充ちた
アーケード街の歩廊をゆっくり進んでいた。

他には
誰もいないこの次元で
耳に聞こえる賑わしさはなけれども、
音なき音が ふんわり ただよふ ようなのよ...


ぁぁ... そう... これは... 静けさ。


無音の
調べに包まれて、
私だけして 歩くよ ここは一人道、
現世から離れゆくまでの一本道だもの。


((  ...臍の緒の真逆みたいなんだわ ))


頭上に
架かるドームガラスへ
何の気なしに目を向けたところ、
思いもかけぬ物が展示されているのを見た。


それは写真


区切られた
ガラスの一枚一枚に、
これまで自分で撮影してきた
全写真が嵌めこんであったのだ。


((  走馬灯オプション...?  ))


写真を通して
想い起こされる
今生の さまざまな出来事...体験、
喜びも憂いも命のなかで燃えていたっけ。


一人に 一つの 一生よ


温かい涙が
心のほうへ降りわたり、
じんわり沁みてゆくんだ万感...極まる。
いつしか思い出それ以上の財産になってたね。


一人に 一つの 人生が


みずから
撮影した写真で
飾られ覆われたドームを
見つめながら歩むうちに...気付く。


そうか...
この次元は
"上なるもの" の計らいによって
贈られた仮初めの " 死 " なのだと。


さらに
気付いたことには、
未だ見ぬ撮りもせぬ風景が
何枚もまぎれこんでいるじゃないか。


しかも、
行き覚えのない
その風景パネルだけは
エンドレスで動きつづける映像なのだ。


((  ... ... ... 。))


夢次元の
私たる彼女には
とうに過ぎた場所なのでしょう、
懐かしげに見上げつづけている...けれど。


)) ??? ((


三次元から
夢につながる
透明な意識体となり、
彼女の後ろに控えている半覚醒の私には...


未だ知らぬ場所。


やがて彼女は
目線を道なりに戻し、
確かな足取りで向かってゆく...
アーケードを抜けた先の彼方へ。  


ぁぁ... そう、か... そうだったね。


この世に
生まれるときと似ている。
さだめし命の限りを全うしたら、
有限つらねた無限ひろがるコスモまで...


還るよ。


彼方では、
白くしろく真白く
光りひかる球が浮かんでる。
すぐそこ間近に感じられるけれど...本当は、


途方もなく遠いや。


それほどに
巨きな光りの球なのでした、
さても真珠が宙に浮かぶがごとく。


...さぁ、いきます。


あの真珠の星へ。
見納めたガラスドームを
一歩また一歩と後にしてゆくたび...


もう、思うことは、なにもない。


いつかは
肉体の衣を脱ぎ去りて、
生まれるように還りゆくのでしょうコスモへ...


やぁ   ただいま





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--- photo & written by...十阿弥 阿世