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掌編怪談

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自作の掌編怪談のまとめ
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#掌編怪談

掌編怪談「皮革」

知り合いから人の皮で作られたというブックカバーを譲り受けた

いつ作成されたのか、本当に人の皮なのかも分からないが、なんだか妙に手触りが瑞々しい

それが気に入り、何年も使っていたのだが…

最近手触りが変わったように感じる

乾燥の影響かとも考えたが、油を使って丁寧に手入れをしているので考えにくい

夜な夜な虫やネズミにでも噛られているのかもしれない

それならばと桐の箱にしまう

翌日からしば

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掌編怪談「踏み切り」

道を遮るように遮断機が下りている

カンカンカンと耳障りな音が鳴り響き、赤いランプが鬱陶しく点滅する

先程まで何もないただの地下道であったはずだが…瞬き一つでこうも変わるものなのか…

驚きでしばらく目を見開いていたが、抗えない欲求に一瞬瞼が視界を塞ぐ

目の前の光景に驚き、何度か意識的に瞬きを行う

瞬きをするたびに、目の前に現れた女性の顔が恐怖に歪む

そして俺と目が合うと、その顔から一切の

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掌編怪談「花畑」

春風に揺れる花畑に混ざり、真っ赤に濡れた人の手が時折見えることがある

それだけでも奇妙だが、他の花より激しく振られる手には気をつけた方がいい

その手をずっと見ていると指が一本ずつ折られていき、立てられた指が無くなると同時に利き手が腐り落ちるから

掌編怪談「家族の絵」

子供の描く家族の似顔絵

そこに描かれる祖母には、何故か左腕がなかった

まぁ子供の描く絵なんてそんなものだと、その時は特に気にしていなかった

嬉しいことに年々子供の絵は上達していくが、祖母の左腕だけは頑なに存在しないままであった

子供に、何か意味があるのかと聞いてみても見たままを描いていると言う

その話をした翌日、子供が家族の似顔絵を描いてくれた

その絵の祖母には左腕がしっかりと生えてい

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掌編怪談「だってね」

娘が大学の課題で描いたという夜景の絵をみせてもらった

娘はいつも白黒の絵を描くのだが、今回は何故か空が僅かに赤みを帯びている

不思議に思い、理由を尋ねる

だってね、あーんってしてたから

この会話を境に、娘は私に対してのみ子供のような口調で話すようになった

その理由をずっと聞けないままでいる

掌編怪談「光」

夜の峠道をドライブしていると後方に光が見えた

光源が一つしかないのでバイクだと分かる

かなり速度を出しているのか、光がドンドン近づいてくる

何故かハイビームのまま切り替えないので眩しくて仕方がない

俺を追い抜こうとしているのか、ライトが真後ろから右側に移動した

そこで違和感を覚えた

エンジン音が聞こえてこないのだ

今流行りのEVだろうか

そんなことを考えているとサイドミラーが少しず

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掌編怪談「暗示」

友人にはたまにすれ違う婦人がいるらしい

婦人はいつもすれ違いざまに友人の未来を暗示する言葉を残すのだとか

それが妙に当たるので不気味に思っているという

婦人と会いたくないからと友人は地元から遠く離れた大学に入学し、独り暮らしを始めた

だが何故か引っ越し先でもたまにすれ違い、同じ様に未来を暗示される

怖くなったらしく俺の所に相談に来た

そんな話を聞きながら街中を歩いていると、テラス席で談

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掌編怪談「気のせい」

紅葉狩りをしに山に来たが、どうもおかしい

何度か人に触られる感覚があり、その都度周囲を確認するが近くに人はいない

そのため気のせいだと思い込み、紅葉狩りを楽しむことにした

ふと道の端に一際大きな紅葉が落ちているのを見つけ、拾おうと右手を伸ばす

紅葉に指が触れるが早いか、手首をナニかに掴まれたかと思うと強い力で引っ張られた

気がついたら病院だった

どうやら私は滑落したようだ

身体中傷だ

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掌編怪談「羨望」

写真を撮られるのが嫌い

そう言っていた彼女を確認できるのは、今や写真の中だけだ

私は写真を撮る度に、容姿の変わらない彼女に嫉妬している

ただただ羨ましい

だから嫌がらせの為に、あの頃のようにカメラを持って廃校に通っている

彼女は今も、変わらずそこで揺れている

長く伸びた首の先

醜く顔を歪ませて

掌編怪談「Halloween」

Trick or Treat

お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ

そんな言葉を投げかけられるたびに快くお菓子をあげる

あと少しで品切だ

知らない人から物を貰っちゃいけないと教わらなかったのかな?

誰もお菓子にイタズラされてることを疑わないね

おかげで楽に処理できた

Happy Halloween

掌編怪談「蠢動」

帰宅するとどこからかブンブンと羽音が聞こえてくる

いつの間にか虫が入り込んでいたのだろう

玄関と廊下の電気をつけるが、音源は見つからない

どうやら音は奥の部屋から聞こえているようだ

恐る恐る扉を開け、部屋の電気をつける

その直後羽音が激しく鳴り、影が部屋の中を飛び回る

どうやらライトとカバーの間に入り込んでいるようで、カバーに影を落としている

思ったより大きい虫のようだ

一度部屋の

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掌編怪談「断ち切る」

海に指輪を投げ捨てた

もう未練ないんてないから

そのはずなのに少しずつ沈んでいく感覚がある

特に夜、ベッドの中でそれを強く感じる

もう繋がりなんて必要ない

誰も信じたくない

だから私は姉の指を全て切り落とした

掌編怪談「催眠」

友人が催眠術を練習中とのことなので、数人集めて催眠をかけてもらうことにした

私は動けなくなる催眠をかけてもらい

別の友人は声が出せなくなったりと盛り上がっていたが、問題が起きた

名前を忘れるという催眠がなかなか解けないのだ

色々な方法を試していたが一向に解けない

面白がった友人がペンとノートを渡し、名前を書かせた

ノートには漢字が一文字書かれたが、こんな文字は見たことがない

何て読む

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掌編怪談「遺書」

死のうと思い樹海に来くると遺書を拾った

近くに人影はない

拾った遺書を読むと何だか馬鹿馬鹿しくなったので家に帰って自室で首を吊った