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他人

六畳半の穴の中に、感情をしまいきれるわけがない
雨が線を引く
いっそ僕を悲しみでひたひたにしてほしいね
その時は嘲笑って、僕の悲しみを悲しまないで
今夜くらいはね。

嘘しかつけない、護岸ブロックが本体と化した心じゃ
誰も愛せないんだ
家庭環境の話はずるいよ、そうやって僕を責めるのか
甘ったれの哲学者がって。
被害者になれない僕はさ、
悩む弱さを責めるところから始めるよ

怒ったことがないなんて、
そんな悲しいこと言わないでくれよ。
お前は人を愛せるんだぜ
僕を思いっきり殴ればいい

最寄りにホームドアはつかない
誇り高い学生のすみか
黄色い線の内側に踏ん張っている僕らは
最後尾の車両に今日も流れ込む

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